
次回購入意向を失っている原因を考える
成長ルートの強化、および各失敗ルートに対する復帰策として、復帰ルートを把握して管理します(図4-13)。

対象とする顧客と、プロダクトが提供できる便益と独自性が合っているはずなのに、購入意向のないセグ2、4、6、8の顧客がそのまま留まる理由を考えてみます。それは多くの場合、①便益や独自性を理解していない、②誤解している、のいずれかです。または③独自性や便益を正確に理解した上で、顧客自身のニーズとは無関係、不必要と思っていることです。
いずれのケースでも、自社プロダクトの提供すべき独自性や便益の内容自体、あるいはその伝え方や営業活動を含む訴求自体の見直しが必要です。購入意向のないセグ2、4、6、8から、購入意向を促してセグ1、3、5、7へ引き上げるのに有効な策は、すでに次回購入意向のある既存顧客(セグ1やセグ3)に対する訴求や施策とは異なるため、セグメントを分けて個別に考える必要があります。
具体的なルートは、次の4つです。
R1:「セグ8 消極 認知未購入顧客」から購入意向のある「セグ7 積極 認知未購入顧客」を経由し、「セグ3 積極 一般顧客」への初顧客化である
R2:「セグ6 消極 離反顧客」から購入意向のある「セグ5 積極 離反顧客」を経由し「セグ3 積極 一般顧客」への復帰である
R3:「セグ4 消極 一般顧客」から購入意向のある「セグ3 積極 一般顧客」へ引き上げ、さらに「セグ1 積極 ロイヤル顧客」への移行である
R4:「セグ2 消極 ロイヤル顧客」から「セグ1 積極 ロイヤル顧客」への引き上げである
ビジネスの経験則を9segsカスタマーダイナミクスで理解する
なお、前出の「1:5の法則」「5:25の法則」、また「離反顧客の復帰コスト」は、9segsにあてはめて説明することができます(図4-14)。
まず1:5の法則が関わるのは、図4-14の①で示した「セグ7、8、9の顧客化のコスト(新規顧客化)」と、「セグ1、2、3、4を維持するコスト(既存顧客の維持)」です。この2つを比較すると、経験則的に、前者は後者の5倍かかるということです。

その表裏一体として考えるとわかりやすいのが、②で示した5:25の法則です。顧客の離反は、図中のセグ1、2、3、4(既存顧客)からセグ6(消極 離反顧客)として表すことができます(NPIのあるセグ5なら、早晩復帰すると考え、除きます)。セグ1、2、3、4に留まる状態ならば、そこまで利益率は落ちない一方、セグ6に落ちてしまうと再び顧客化(ルートR2)するのは一定のコストがかかります。
ですので、離反してから復帰を促すのではなく、セグ6への離反自体を5%改善すると、利益率が25%改善するというインパクトの大きい成果が上がるということです。
この「5:25」も経験則であり、カテゴリーや商材によって数値の幅は大きいですが、いずれにしても、既存顧客の離反を防ぐことが利益と利益率における重要な要因であることは間違いないでしょう。既存顧客、特にセグ1とセグ3の積極顧客はあれこれ施策を講じなくとも継続してくださるので、費用がかからない売上、つまり利益をくださるわけです。1:5の法則を、離反という観点で見ると、5:25の法則にあたるのです。
そして、新規獲得と離反顧客の復帰を一緒くたにすると投資対効果を見誤るというのは、セグ7、8、9の純粋な新規顧客の獲得と、セグ5、6の離反顧客の復帰を混同することに相当します(③)。
この2つは顧客の動きとして異なっており、得てして離反の復帰のほうがコストが安く済むので、それを見極めて、適切な施策を構築するためにも9segsの顧客分類が有用であることがわかります。
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