2-6-57:LTVに注目し、「ミルフィーユの崩壊」を回避する

顧客起点マーケティング 良い売上、悪い売上
継続率とLTVを重視し、利益につながる顧客層へ集中投資することで、「ミルフィーユの崩壊」を防ぎ、利益を守ることが求められます。
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ミルフィーユの崩壊を防ぐための2つの策

ここまで、新商品を次々と発売すると、ある時点で売上が急激に落ちてしまう「ミルフィーユの崩壊」という現象を解説しました。

では、これを防ぐにはどうすればいいのでしょうか? 理想的な対策は、1番目の商品、もしくは継続率の高い商品をできるだけ伸ばしていくことです。その上で取るべき策は、次の2つになります。

  • ① WHO&WHATをよく確認し、1番目もしくは継続率の高い商品を売り伸ばす

  • ② 潜在顧客層の大きさと継続性のポテンシャルを確かめた上で、新商品を投入し、継続率が高い顧客を見極めて主要顧客にする(=良い売上に集中投資する)

WHO&WHATを地道に探して最初のアイテムを決める

1つ目から解説していきます。ほとんどのビジネスは、2番目以降の商品は最初の商品の継続率を超えられません。ここまで紹介した図では、すべての商品を同じ継続率と仮定しているので、ほぼ同じ落ち方をしていますが、実際には最初に出して成功した商品の継続率がいちばん高いことが多いです。

したがって、最初のアイテムを誰に提案したらいいか、WHO&WHATを地道に探して策を講じることが第一歩になります。ここで有用なのが、NPI(次回購入意向)を含めて顧客を9つにセグメントする9segsと、セグメントした上で一人の顧客を掘り下げるN1分析です。

次第に新規獲得が難しくなり獲得コストが上がるため、それを嫌って商品数を増やしたくなるのですが、それは根本的な解決策ではありません。

仮に3つ目まで商品を増やしていたとして、発売期間の長い1番目が、最も平均LTVが高くなります。ですので、簡単に諦めず、潜在顧客層の大きさを定量的に確認して、そこでの拡大を考えるべきです。

継続率が高いWHO&WHATを見つけ、集中投資する

次に、N1分析の過程で2番目、3番目の商品の可能性が見えたら、そのポテンシャルを確かめた上で新商品を投入し、併売を促します。

2番目、3番目の平均LTVはたしかに低くなりますが、だからといって切り捨てていいわけではありません。2番目、3番目を購入する複数の顧客層において、継続率が高いWHO&WHATを見つけ、その潜在顧客層に集中投資していきます。つまり、良い売上に選択的に投資するのです。

そして、後発商品が大きくヒットし、先発商品の継続率を上回ることもあります。その場合、最初に立てていた戦略にこだわらず、その商品を看板商品として売り伸ばしていくよう集中投資していきます。つまり、複数の商品の間で、良い売上に選択的に投資するわけです。

継続率とLTVを維持向上させ、利益を確保する

例えば5つの商品まで出していた場合、平均で見ると最初の商品の継続率が高いので、これが最も良い売上となります。対して後発の3、4、5番目は継続率が低い、悪い売上と言えます。

ただしそれぞれの顧客層の売上構成を見ると、その中でも継続率のばらつきがある、すなわち良い売上と悪い売上が存在します。ですので、それぞれで良い売上を最大化し、悪い売上を最小化します。

この策を取ると、売上が一時的に鈍化することはあるかもしれませんが、利益が無駄に減ることはありません。ですので、次の打ち手に移れるのです。

このように、良い売上を見極めなければ、営業利益が減り、辻褄を合わせるために、プロモーション費や開発費など何かしらカットせざるを得なくなります。もし、次に投資すべき良い売上の芽が見つかっていても、着手できません。

利益がないと、酸素がなくなるようなもので、身動きが取れなくなるのです。利益が出ていれば、良い売上と悪い売上を精査する時間的な余裕ができ、投資もしっかりと行えます。だから、継続率とLTVにこだわり、利益を確保することが重要なのです。

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《西口一希》

良い売上、悪い売上