2-6-30:1:5の法則 ー新規顧客獲得のコストは既存顧客維持の5倍

顧客起点マーケティング 良い売上、悪い売上
新規顧客の獲得には、既存顧客の維持より約5倍のコストがかかるとされています。具体的な費用は業種や方法によって異なるものの、一般的に高コストです。
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新規獲得コストと既存維持コストの差

では次に、1:5の法則を解説します。既出のとおり、「新しい顧客を一人獲得するのにかかる費用は、今いる顧客を一人維持するのにかかる費用の5倍もかかる」という経験則です。

これは、長年にわたる多くのマーケティング研究や実務経験則の中で広く認識されるようになってきた経験則(Rule of thumb)です。この考えの背景にあるのは、新規顧客を獲得するためには、広告宣伝費、販促キャンペーン費用、営業活動費用など、非常に多くのコストがかかることです。

一方、既存顧客を維持するためには、メールやメッセンジャーやアプリで定期的な連絡をしつつ、ポイント制度を提供したり、アフターサービスを充実させたりするなどのコストがかかりますが、新規顧客獲得に比べて金銭的費用はずっと少なくて済みます(図2-13)。

具体的な費用で考える、1:5の法則

継続購入型ビジネスにおける、具体的なケースを挙げておきます。

ネット通販サイトの場合:

  • 新規顧客獲得:新規顧客を獲得するために、インターネット広告、SNS広告、アフィリエイト広告などに費用をかける必要がある。また、新規顧客向けの割引クーポンやキャンペーンなども実施する。これらの費用を合計すると、一人当たり5,000円かかるとする

  • 既存顧客維持:既存顧客に対しては、メールマガジンで新商品情報やセール情報を送ったり、誕生日クーポンをプレゼントしたり、ポイント制度で特典を提供したりする。これらはすでに把握している連絡先に配信する工数と、結果的に利用されたポイントの拠出に限られるため、費用を合計すると一人当たり1,000円で済むとする

この場合、新規顧客獲得費用は既存顧客維持費用の5倍(5,000円 ÷ 1,000円 = 5倍)となり、1:5の法則が当てはまる

美容院の場合:

  • 新規顧客獲得:新規顧客を獲得するために、近隣へのチラシ配布、フリーペーパーへの広告掲載、ウェブサイトやSNSでの情報発信などを行う。これらの活動には、デザイン費用、印刷費用、広告掲載費用、ウェブサイト運営費用などがかかる

  • 既存顧客維持:既存顧客に対しては、次回の予約を促すための電話やメッセージを送ったり、来店時に次回予約をすることで割引を提供するなどのサービスを行う。また、顧客カルテに基づいた丁寧なカウンセリングや施術を行うことで、顧客満足度を高め、継続来店につなげる

この場合、既存顧客維持は人件費程度のコストに留まり、かかる費用は新規獲得より大幅に少なくなる

このように、業種やビジネスモデルによって具体的な費用や比率は異なりますが、一般的に新規顧客獲得には既存顧客維持よりもはるかに多くのコストがかかる傾向があります。

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《西口一希》

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