
利益を商品別に可視化する
最後に、発展的なトピックですが、利益ベースのミルフィーユ崩壊について触れておきます。利益を合算して表すと、図5-13のように、ぎくしゃくしているが通期だと伸びているように見えます。

これを、商品別に可視化します。最初の商品は、新規獲得費用の分、赤字からスタートします。少し経つと利益が出ますが、やがて頭打ちになり、必ず落ちていきます。離反率が一定のままで新規獲得が追い付かなくなるので、利益額も実は下がっていくからです。それを避けるべく、売上を上げるために2番目、3番目の商品を発売すると、それぞれ手前の商品のマイナスを吸収しながらプラスが乗っていく、という構造になります(図5-14の右側)。

売上の質を見極めて、商品投入や投資の判断をすべき
利益ベースで見ても、売上の場合と同じように、やがて層構造が横滑りになってすべてが落ちていきます(図5-15)。これを止めるために、さらに4番目、5番目の商品を追加すると、それぞれへの投資ができなくなるため、停滞からの落ち方がひどくなります。これが、利益ベースのミルフィーユの崩壊です。

図のそれぞれの層は、各商品の利益を表していますが、ここでは各商品の継続率を一定として作図しています。実際には、新商品の継続率が最初の商品より低いことが多いので、新商品の利益の頭打ちももっと早く、降下率も大きくなります。
また、複数の商品の販売を支えるために様々な固定費と変動費が上がっているので、大きな開発費を投入することが難しくなりがちです。
つまり、強い売上と利益が期待できる大型商品が実現する可能性が低くなるということです。新商品投入においても、商品単体、またブランド全体における「良い売上」「悪い売上」をよく見極めて、投入の判断と投資の判断をすべきです。
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