2-6-17:売上の方程式 ー3つの基本変数

顧客起点マーケティング 良い売上、悪い売上
売上はユニーク顧客数、購入頻度、購入単価の3変数で構成され、それぞれを適切に管理・分析することが重要です。
2-6-17:売上の方程式 ー3つの基本変数
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Geminiで生成

売上 = ユニーク顧客数 × 平均購入頻度 × 平均購入単価

次に、どのようなビジネスでも売上を構成する3つの変数=「顧客数」「購入頻度」「購入単価」を解説します。

売上を理解し、管理するための最も基本的な考え方は、売上を、その期間の「ユニーク顧客数(重複のない顧客数)」×「平均購入頻度」×「平均購入単価」という3つの変数に分解して捉えることです(図1-5)。

まず、ユニーク顧客数から考えてみましょう。

  • ユニーク顧客数:一定期間内に商品やサービスを購入した、重複のない顧客の数。例えば、1ヵ月間に異なる100人が購入した場合、その100人がユニーク顧客数となる。同じ人が2回購入しても、ユニーク顧客数は1人としてカウントする。同じ人が何回購入したとしても、ユニーク顧客数としては1人になる

ここで「延べ顧客数」で数えないのは、同じ一人が仮に10回買っている状態と、10人が1回買っている状態を区別するためです。

購入頻度を省略して、「延べ人数」×「平均購入単価」でも、売上は算出できますが、この見方は顧客を見失いますので、お勧めしません。

なぜ「延べ」ではなく「ユニーク顧客数」で数えるのか

例えばある商店で月に1万回レジが稼働し、平均単価が100円なら、1ヵ月の売上は100万円です。しかし、1万人が100円単価で1回ずつ買っているのと、一人が100円単価で1万回買っているのとは、売上と顧客の企業にとっての意味合いがまったく違います。

後者は売上が一人の顧客に偏っているので、その人が買わなくなった場合、すべての売上を失います。これは極端な例ですが、売上の違い、つまり顧客構成の違いは、このようにビジネスに非常に大きな影響を与えているのです。

以前の項目で、「同じ1万円の売上にも2種類がある」ことを述べました。そこでは「一人の顧客からいただく売上」を例に解説しましたが、累計であっても、たとえ同額の売上でも質が違うのは変わりません。しかし、そうすると「同じ人ばかり買っている」状態と、「たくさんの異なる人が買っている」状態を区別して捉えることができません。ですので、最低単位でも、その期間中のユニーク顧客数、頻度、単価の3要素に分解して把握することが重要なのです。

ただしユニーク顧客数で数える場合、個々の顧客を識別している、つまり顧客IDを取得・管理している必要があります。これについては、後段で詳説します。

個々の顧客を識別して売上を考える

一方、「購入頻度」は、「延べ購入頻度」で計算します。

例えばオンラインショップで、1ヵ月間に100人が商品を購入したとします。そのうち50人は、同じ月に3回ずつ購入しています。この場合、ユニーク顧客数は100人で、延べ顧客数もしくは延べ購入回数は200回(=50×1回 + 50×3回)です。

平均購入頻度と平均購入単価を説明すると、次のようになります。

  • 平均購入頻度:一人のユニーク顧客が、一定期間に平均して何回商品やサービスを購入するか。顧客の半数が月に1回、もう半数が3回買い物をする場合、50% × 1回 + 50% × 3回で、平均購入頻度は2回になる

  • 平均購入単価:一回の購入あたりに顧客が平均して支払う金額。顧客の半数が2,000円、もう半数が4,000円使う場合、50% × 2,000円 + 50% × 4,000円で、平均購入単価は3,000円になる

具体的に、あるカフェで考えてみると、延べ顧客数(ここでは来店回数の合計)とユニーク顧客数が乖離していることがわかります。

具体的なケース:カフェ

来店客数:1週間で200人

その内訳:常連の10人のみ毎日(週に7日)来店、残りの190人は1回のみ

延べ来店回数:10人 × 7回 + 190人 × 1回 = 260回

ユニーク顧客数:200人

ユニーク顧客数と延べ顧客数(購入回数をすべて足したもの)を混同すると、ビジネスの機会もリスクも見えなくなります。

例えば、ある1日にスーパーの売上が上がって、顧客数が増えた場合は「新規顧客の獲得が増えて、売上も増えた」ように評価しがちですが、注意が必要です。

レジ精算した顧客数は延べ顧客数なので、ポイントカードの利用回数などは延べ顧客数に近い数値になりますが、同じ日に、同じ顧客が何度もレジ清算して売上が上がっていても、ユニーク顧客数が増えたわけではありません。

売上が既存顧客のリピートからきたのか、新規からきたのか、その違いは今後に大きな違いをもたらしますので、ユニーク顧客数を含めた3つの変数で捉えることが基本です。

ロイヤル顧客にばかり偏っていても、あるいは1回きりの購入で離れてしまう一過性の顧客ばかりを抱えていても、ビジネスは不健全になり、事業成長に至りません。

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《西口一希》

良い売上、悪い売上