

主要12分野・24種のマーケティングに続いて、残り89種のマーケティング手法を事例とともに解説しています。
本項では、グリーンマーケティング、グロースマーケティング、グローバルマーケティングを解説します。
グリーン マーケティング (Green Marketing)
グリーンマーケティングは、環境に配慮した製品やサービスの開発、プロモーション、配布を含むマーケティングです。持続可能性、リサイクル可能な資源の使用、環境への負荷が低い生産プロセスなど、環境保護を意識した企業活動を前面に打ち出します。
グリーン マーケティングの目的は、エコ意識が高い顧客にアピールし、企業の環境に対する責任とコミットメントを示すことにあります。
パナソニック(Panasonic):パナソニックは、持続可能な社会への貢献を企業ミッションの一環としており、その製品やソリューションを通じてグリーン マーケティングを展開しています。例えば、エネルギー効率の高い家電製品や太陽光発電システム、家庭用蓄電池などの開発に力を入れており、これらの製品を通じて環境保護とエネルギー削減のメッセージを強調しています。
花王:花王は、その製品の環境負荷を低減するために多くの努力をしており、パッケージングの削減やリサイクル材の使用、製品自体の生分解性の向上など、グリーンマーケティングの原則に基づいた製品開発を進めています。また、顧客に対して環境保護活動への参加を呼びかけるキャンペーンも積極的に行っており、ブランドのエコフレンドリーなイメージを強化しています。
グロース マーケティング (Growth Marketing)
グロースマーケティングは、データドリブン(データ駆動型)のアプローチと実験を重視するマーケティングです。成長のための機会を見つけ出し、継続的なテストと改善を行いながら、顧客の獲得や維持、エンゲージメント強化を最適化します。グロースマーケティングは、短期的な成果に加えて、長期的な顧客関係の構築に重点を置くため、スタートアップや成長期にある企業で活用されます。
メルカリ:メルカリは、ユーザーの行動データを分析し、カスタマイズされたプロモーションやプッシュ通知を行うことで、ユーザーのエンゲージメントと取引の増加を図っています。また、新規ユーザー獲得のためのリファラルプログラムや、季節ごとのキャンペーンを通じて、継続的な成長を図っています。
LINEヤフー:LINEは、多岐にわたるサービスを通じてユーザーのニーズに応え、継続的なエンゲージメントを促進しています。LINEポイントやスタンプのキャンペーンを利用して、顧客のアプリ内活動を促進し、それによって売上の増加とユーザーベースの拡大を図っています。また、データを活用してユーザーの行動パターンを分析し、ターゲット広告やパーソナライズされたコンテンツを提供しています。
グローバル マーケティング (Global Marketing)
グローバルマーケティングは、世界各国の市場を対象に製品やサービスを展開する、国境を越えた広範なマーケティングです。異なる地域の文化的、経済的、法的環境に適応しながら、一貫したブランドメッセージを維持することが求められます。
グローバルマーケティングは、地域ごとのニーズに応じた製品のカスタマイゼーション、効果的なプロモーション戦略、多言語でのコミュニケーションなど、複数の側面を考慮する必要があります。
トヨタ自動車(TOYOTA):トヨタは、北米市場向けには大型のSUVやトラックを、ヨーロッパやアジア市場では燃費性能が優れたコンパクトカーを重点的に展開しています。また、グローバルブランドキャンペーンを通じて、世界中の顧客に対して一貫したブランドイメージを築いています。
ソニー(Sony):ソニーの製品は、高品質のイメージと革新的な技術で世界中に認知されており、それぞれの地域で文化的な特性や顧客の好みに応じたマーケティングが行われています。例えば、ソニーのPlayStationは世界中で人気があり、地域ごとのゲームの好みに合わせたタイトルの開発や販売を行っています。
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