1-1-16:Eメールマーケティング、イベントマーケティング、インタラクティブマーケティング

マーケティングの大前提 114種類のマーケティング
Eメールマーケティングは、メールを活用して顧客リストに直接メッセージを送り、販売促進や関係構築を行う手法です。ターゲットを細かく設定でき、コストが低く、効果測定も容易です。
1-1-16:Eメールマーケティング、イベントマーケティング、インタラクティブマーケティング

主要12分野・24種のマーケティングに続いて、残り89種のマーケティング手法を事例とともに解説しています。

本項では、Eメールマーケティング、イベントマーケティング、インタラクティブマーケティングを解説します。

Eメールマーケティング(Email Marketing)

Eメールマーケティングは、Eメールを活用した広告やプロモーション活動です。企業が顧客リストに含まれる個人に対して直接Eメールを送信し、商品やサービスの情報を提供することで、顧客の関心を引きつけて関係を築き、販売促進や顧客ロイヤリティの向上を図ることを目的としています。

特徴としては、ターゲットを細かく設定でき、コスト効率が高く、効果の測定が容易である点が挙げられます。また、パーソナライズマーケティング(個別最適化)が可能で、顧客一人ひとりに合わせた内容を提供することができます。

エニグモ(Enigmo):「BUYMA」を運営するエニグモは、特定の商品をクリックした人にはその商品の詳細の情報や関連商品を提案するメールを送ります。一方、メールを開封しなかった人には、別のプロモーションや別の商品の紹介など切り口を変えたメールを自動的に配信しています。この施策により、エニグモはメールマーケティング経由での売上が10億円を超える大成功を収めました。

楽天:楽天は、その広範なスプラットフォームと連携してEメールマーケティングを展開しています。会員の購入履歴や閲覧データを分析し、個々の利用者の興味やニーズに合った商品をレコメンドするメールを定期的に送信しています。また、楽天ポイントの獲得機会や特別プロモーションの告知を行うことで、顧客のサイト訪問頻度や購入頻度の向上を図っています。

イベントマーケティング (Event Marketing)

イベントマーケティングは、展示会、カンファレンス、セミナー、ポップアップイベントなどの特定のイベントを通じてブランドの認知度を高め、顧客との直接的なエンゲージメントを図るマーケティング手法です。ライブイベントのエネルギーと興奮を活用して、製品やサービスの体験機会を提供し、参加者との感情的な結びつきを強化します。

対面での接触やコミュニケーションにより、ブランドへの深い印象を与えることができる点が特徴です。また、参加者からの直接的なフィードバックを得る機会が多く、顧客ニーズの理解を深めることができます。

パナソニック(Panasonic):パナソニックは、技術展示イベントや業界カンファレンスに積極的に参加しています。これらのイベントでは、最新の商品技術やソリューションを展示し、来場者に実際に体験してもらうことで、商品の特長と利点を直接アピールします。また、こうした場を通じて業界関係者や潜在顧客とのネットワークを強化し、ビジネスチャンスを広げています。

アサヒビール(ASAHI BREWERIES):アサヒビールは、ビアフェスティバルや食品関連イベントへの参加を通して、イベントマーケティングを展開しています。例えば、ビアフェスティバルや食品サンプリングイベントでは、新しいビールのフレーバーや限定品を提供し、直接顧客に製品を試してもらいます。これにより、製品への関心を引き上げると同時に、ブランドへの好感度を高める効果があります。

インタラクティブマーケティング (Interactive Marketing)

インタラクティブマーケティングは、顧客との双方向のコミュニケーションを通じて行われるマーケティングです。顧客の行動や反応に基づいてリアルタイムでマーケティングメッセージを調整し、顧客一人ひとりにパーソナライズされた体験を提供します。これはデジタルメディアの進化により大きく発展しており、ソーシャルメディア、アプリ、ウェブサイト、オンライン広告など多岐にわたるプラットフォームが活用されています。

主な利点は、顧客からの直接的なフィードバックを得られることです。これにより、マーケターは顧客のニーズにより細かく対応し、より効果的なカスタマイズされたコミュニケーションを行うことができます。また、顧客エンゲージメントを高め、ブランドロイヤリティを向上させる効果があります。

ソニー(Sony):ソニーは、新製品のバーチャルリアリティ体験やオンラインイベントを通じて、顧客が製品を仮想環境で体験できるようにしています。これにより、顧客は製品の特長を直接体感し、その場でフィードバックすることが可能です。また、ソーシャルメディアを活用して顧客と積極的に対話し、製品開発やマーケティング施策の改善に生かしています。

ネスレ(Nestle):ネスレ日本は、コーヒーマシン「ネスカフェ ドルチェ グスト」のプロモーションで、インタラクティブマーケティングを展開しています。オンラインプラットフォームを通じて、顧客が自分の好みやニーズに合わせてコーヒーマシンをカスタマイズできるようにしています。また、ウェブサイトのチャットボットやXでは顧客が製品に関する質問をリアルタイムで投稿し、即座に回答を得られるインタラクティブなQ&Aセッションを設けており、顧客は購入前に製品についての詳細な情報を得ることができ、購入意欲を高めています。

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《西口一希》

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