

主要12分野・24種のマーケティングに続いて、残り89種のマーケティング手法を事例とともに解説しています。
本項では、オフラインマーケティング、オムニチャネルマーケティング、オンラインマーケティングを解説します。
オフラインマーケティング (Offline Marketing)
オフラインマーケティングは、インターネットを使用しない古典的なマーケティング手法です。テレビ、ラジオ、プリント広告(新聞や雑誌など紙媒体)、ダイレクトメール、看板広告、イベントや展示会への参加などが含まれます。特にインターネットへのアクセスが限定的な地域や、デジタルメディアに慣れていない年齢層にリーチするのに有効です。
東京ディズニーリゾート:東京ディズニーリゾートは、テレビCM、雑誌広告、駅の大型広告など、多くのオフラインチャネルを活用しています。施設における最新のアトラクションや特別イベントを紹介し、顧客を惹きつけます。また、施設内で展開される実際のイベントやパレードも重要なマーケティングツールとして利用されており、来場客に魅力的な体験を提供することで、リピーターを増やしています。
サントリー(SUNTORY):サントリーは、製品の広告にテレビCMとプリント広告を積極的に使用しています。ザ・プレミアム・モルツや、缶コーヒーのBOSSのCMなどは、著名な俳優やミュージシャンを起用し、製品のイメージ訴求や顧客のライフスタイルへの訴求を強化しています。これらのCMは視聴者に強い印象を残し、ブランドの認知度と購入意欲の向上を促しています。
オムニチャネルマーケティング (Omnichannel Marketing)
オムニチャネルマーケティングは、オンライン(ウェブサイト、ソーシャルメディア、Eメールなど)とオフライン(実店舗など)の複数の販売チャネルを統合し、顧客に一貫した購入体験を提供するマーケティングです。顧客がどのチャネルを使用しても、シームレスに行き来できる状態を目指します。データの一元化とチャネル間の連携により、顧客の行動や好みを把握し、パーソナライズされたメッセージを提供できます。これにより、顧客満足度の向上とロイヤリティの強化を実現します。
良品計画:無印良品は、オムニチャネルマーケティングを積極的に取り入れています。オンラインストア、アプリ、そして実店舗が連携しており、顧客はどのプラットフォームを使用しても無印良品の製品情報にアクセスし、購入することができます。オンラインで製品を見つけ、最寄りの店舗で実際に製品を確認後、その場で購入するか、後でオンラインで注文することが可能です。また、アプリを使用することで、店舗在庫の確認やオンラインでの購入がさらに容易になります。
ヨドバシカメラ:ヨドバシカメラでは、オンラインストアと実店舗が密接に連携しており、顧客はオンラインで商品を注文し、最短30分で最寄りの店舗から商品を受け取ることができます。 在庫がない場合は、入荷次第メールで連絡があり、 注文完了メールの記載の受け渡し可能日から7日間、店舗にて商品の取置きが可能です。これにより、オンラインでの即時性と実店舗での手軽さが組み合わさり、顧客体験が向上しています。
オンラインマーケティング (Online Marketing)
オンラインマーケティングは、インターネットを利用した広告や、ブランドプロモーションの手法です。ウェブサイト、ソーシャルメディア、Eメール、検索エンジン、アプリなど、デジタルプラットフォーム上で展開されます。広範囲のターゲットオーディエンスに迅速にリーチすることができ、リアルタイムのデータ分析を活用して施策を最適化することが可能です。
楽天:楽天は、Eメールマーケティングを活用して顧客に定期的にセールや新商品の情報を提供し、リピート購入を促進しています。また、自社サイトでのSEO最適化を徹底し、検索エンジン経由の流入を高めることにも力を入れています。さらに、ソーシャルメディアを積極的に利用し、顧客とのエンゲージメントを高めています。
ゾゾタウン(ZOZOTOWN):ファッションEコマースサイトのZOZOTOWNは、ターゲットオーディエンスに合わせたPPC(ペイ・パー・クリック)広告と、ソーシャルメディアでのインフルエンサーとのコラボレーションにより、ブランド認知度とトラフィックの両方を増加させています。また、ユーザーの購入体験を向上させるために、サイトのユーザビリティ改善やパーソナライズされたプロモーションを提供しています。
まだ会員登録されていない方へ
会員になると、既読やブックマーク(また読みたい記事)の管理ができます。今後、会員限定記事も予定しています。登録は無料です