

主要12分野・24種のマーケティングに続いて、残り89種のマーケティング手法を事例とともに解説しています。
本項では、アフィニティマーケティング、アダプティブマーケティング、アドボカシーマーケティングを解説します。
アフィニティマーケティング(Affinity Marketing)
アフィニティマーケティングは、互いに補完的なブランドや企業が協力し合い、共通の顧客基盤に対して製品やサービスの提供を共同で行うマーケティングです。パートナーシップを利用して新たな顧客層にアプローチし、既存の顧客に対しても付加価値を提供することを目指します。
アフィニティマーケティングは、特定の趣味や興味、プロフェッショナルグループをターゲットにすることが多く、顧客のライフスタイルやアイデンティティに深く根ざしたコミュニケーションを展開します。
クレジットカード会社と航空会社:多くのクレジットカード会社は航空会社と提携して、共同ブランドのクレジットカードを提供しています。このカードを使用すると、航空マイルが貯まり、旅行に関連する特典が得られます。このような提携は、旅行好きな顧客にアピールし、両社にとって新たな顧客を獲得するチャンスを生み出します。
ファーストリテイリング(FAST RETAILING):ユニクロは、日本のいくつかのプロスポーツチームと提携し、公式のファンウェアやチームウェアを製造・販売しています。これにより、スポーツファンには自分のお気に入りのチームをサポートしながら、ユニクロの製品を購入する動機が生まれています。
アフィリエイトマーケティング (Affiliate Marketing)
アフィリエイトマーケティングは、アフィリエイターと呼ばれる第三者が、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアなど自身のプラットフォームを利用して企業の製品やサービスを宣伝し、その販売からコミッション(販売手数料)を得るパフォーマンスマーケティングの一種です。アフィリエイターは製品を宣伝し、顧客がアフィリエイトのリンクを経由して製品を購入すると、その売上の一部をコミッションとして受け取ります。
企業には、顧客がアフィリエイトのリンクを経由して製品を購入し、売上が発生するまで費用が発生しないため、コスト効率が良いことが特徴です。また、アフィリエイトは特定のターゲット市場に特化したオーディエンスへの接触が可能であり、ブランドのリーチを拡大する効果的な方法として機能します。
アマゾン(Amazon):アマゾンは、アフィリエイトプログラム「Amazonアソシエイト」を通じてアフィリエイトマーケティングを実施しています。ブロガーやウェブサイト運営者は、自分のサイトにAmazonの製品リンクを設置でき、リンクを通じて製品が購入されるとコミッションを受け取ることができます。このプログラムは、参加者に対して多岐にわたる製品カテゴリーを提供しており、特にニッチな市場をターゲットにしているサイトにとって有益です。
楽天:楽天市場は、「楽天アフィリエイトプログラム」を運営しています。ウェブサイトやブログの運営者が楽天市場の商品を推薦し、そのリンクから購入があるとコミッションを獲得できます。楽天は、プロモーションツールや詳細なレポート機能を提供することで、アフィリエイターが成果を最大化できるようサポートしています。
アプリマーケティング(App Marketing)
アプリマーケティングは、モバイルアプリを市場に広め、利用者にダウンロードや使用を促進するための一連の戦略や活動を指します。これにはアプリの知名度向上、利用者の獲得、エンゲージメントの強化、そして収益化の促進などが含まれます。
効果的なアプリマーケティング戦略は、検索エンジン最適化(SEO)、ソーシャルメディアマーケティング、広告キャンペーン、口コミ促進など多岐にわたることが一般的です。
LINEヤフー:LINEは、LINEアプリを通じて、非常に効果的なアプリマーケティングを展開しています。LINEは、友達招待システムや多様なスタンプ機能、さらにはゲームなど、アプリ内での多様なサービスを提供することでユーザーエンゲージメントを高め、利用者の継続的な利用を促しています。また、テレビCMやオンライン広告を積極的に利用し、新規ユーザーの獲得にも力を入れています。
クックパッド(Cookpad):クックパッドは料理レシピの共有サービスを提供するアプリで、コンテンツマーケティングを中心に据えています。ユーザーが自身のレシピをアップロードし、他のユーザーと共有するプラットフォームを提供することで、自然なコミュニティ形成を促し、エンゲージメントを高めています。また、季節ごとのレシピコンテストや特定の食材を使ったレシピの紹介など、ユーザーが参加しやすいキャンペーンを定期的に実施しています。
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