
自ら体感する「トライ&エラー&ラーン」
そして、最後にもう1つ大事なポイントをお伝えします。
20代の大失敗の話をしましたが、そこから20年以上経っても、じつはまだトラウマは残っています。トラウマは脳に刻まれた傷のようなもので、そう簡単には消えませんし、その後も軽いトラウマになった失敗はたくさんありました。
ただし、そんな筆者も徐々に大失敗することが減っていきました。
それは、「N1分析」を通じたお客様への理解に対する自己判断で、このまま進んでいいのかどうかが見えてくるようになったからです。多くの失敗をし、何が問題だったのかを振り返り学ぶことでこの感覚が養われてきたようです。このレベルの顧客理解で進むのは不十分だ、ここまで理解で きればなんとかなる、という感覚的な判断ができるようになってきました。
大事なことは、自ら体感する「トライ(実行) & エラー(失敗)&ラーン(学習)」です。
やってみて、失敗したら、振り返って学習すること。今から思うと、自分が一番学んで成長したと感じるのは、お客様に対する新しい発見や理解を「自分事化」できたときです。学びとして最も大きいのは、やはり自分自身の経験です。
失敗は誰しもが経験するものです。ただし、そこから学習しなければ、トライ&エラーで終わります。失敗と向き合うのがつらくて、ときになかったことにしたいという気持ちのほうが強くなるかもしれません。筆者も何度も経験しましたが、このパターンに入ると学習できず、成長できません。
トライ&エラー、そしてもう一度トライするために学習(ラーン)をすることが大切です。
失敗するリスクより、行動しないリスクのほうが大きい
失敗をただ繰り返すだけでは進歩はありませんが、失敗して学習することを繰り返すと成功する確率が高くなります。
筆者も失敗した後、「なぜ、うまくいかなかったんだろう?」「自分が買ってくださると思ったお客様は、なぜ買ってくださらなかったんだろう?」「何を伝えたら良かったのか?」「『このお客様』というのは合っていたけれど、伝えることを間違えてしまったのかもしれない」などと自問自答しながら、どこに問題があったのか、どうすれば良かったのかという仮説を立てるようにしています。
この失敗の振り返りは感情的に楽ではないですが、まったく同じではなくても似たようなチャンスは将来いつかめぐってきます。
失敗したときに考え抜いて、その仮説が少しでも頭に残れば、そのチャンスに役立つのです。
今、筆者はさまざまな企業の支援や投資もしており、海外の企業から声をかけていただく機会も増えました。海外の企業の経営者に過去の経験を聞くと、たくさん失敗しているのに、むしろ誇らしげに過去の失敗を語る方が多いことに驚かされます。
自分は、これだけの経験(失敗)を得てきているのだから、その分、たくさん学習している、というのが彼らの主張です。
失敗から学び、次につなげていくほうが成功する確率も高いとも言えるでしょう。総じて、失敗するリスクよりも、何もやらない、行動しないリスクのほうが大きいのです。
ビジネスは戦争ではなく、何度失敗しても学習して次につなげることができるのですから。
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