
インフルエンサーの効果ではなく商品の魅力で継続してもらう
ここまでをまとめると、企業が考えるべきポイントは次の3つです。
ロイヤル顧客がずっと購入し続けてくださるためには何を提案したらいいのか(WHO&WHAT)
一般顧客をロイヤル化するためには何を提案したらいいのか(WHO&WHAT)
ロイヤル化しそうな新規顧客を獲得するためには何を提案したらいいのか(WHO&WHAT)
ビジネスではこの3つが成立しなければ、継続的に売上が上がり、利益が上がる仕組みにはなりません。極端なことを言えば、ロイヤル顧客を1人失うたびに新規顧客を20倍、30倍獲得しつつ、その中からロイヤル顧客になってくださる方の確率を高め続け、育て続ける必要があるということです。
たとえば、D2Cの分野などでは、事業規模の拡大を急いで新規獲得を目指す企業が多く見られますが、その多くが短期的な売上は上がっているものの、利益が上がりません。中には、破産に陥る可能性がある事業も多く見受けられます。
筆者もD2C系ブランドの相談をよく受けますが、うまくいっている事業は多くありません。なぜなら、ロイヤル顧客が少ないからです。
そうしたブランドでは、元インフルエンサーや元モデルの方が「私の好きなコスメです」などといろいろな提案をし、そのファンが購入するという構造が見られますが、実際はリピートされている商品アイテムは少ない場合が多いです。
言い換えれば、リピートされているのは商品アイテムではなく、インフルエンサー自身なのです。ですから、インフルエンサーの魅力が薄れたり、飽きられたりすると、顧客がすぐに離れてしまいます。
「このインフルエンサーが好きだから、このコスメを買います」というのはインフルエンサー自身の魅力に依存している状態で、リーチが非常に狭いということです。それ以上拡大する可能性は低いです。
その結果、短期的な売上が上がっても、利益は上がらないという状態に陥ってしまいます。「この商品アイテムのここが素晴らしいから、ずっと使い続けています」という状態にならないと、お客様はロイヤル化してくださらないのです。
単発購入ビジネスにおける利益の確保と口コミの影響
はじめから短期的な利益を追求して、1回きりの顧客で利益を上げるビジネスモデルでは1回だけで利益が出る仕組みをつくる必要があります。それゆえ、投下コストに対して価格設定を上げる方法もあります。
たとえば、住宅販売もそうです。不動産投資家や富裕層を除けば、人生で何度も住宅を買うという人は一般的ではないため、1回限りで利益が出るような価格設定になっています。
こうしたビジネスモデルの場合、以下の「ストラテジーマップ」における4⃣「価値の再評価」、5⃣「離反の復帰」というステップに進む顧客数が少ないため、1回の購入で収益が上がる構造になっていることが重要です。

しかし、一過性のビジネスと言っても、既存顧客の満足度が低くてもいいというわけではありません。
なぜなら、ユーザーの口コミや評判は、新規顧客が購入を決める際の大きなポイントになるからです。とくに今はネットですぐに評判や評価を検索できるため、「詐欺行為があった」「もう二度と頼みたくない」といった悪い評価は新規顧客が入りにくい構造をつくります。
SNSを含めて口コミの効果は意外と大きいということを踏まえれば、1回きりの顧客で利益を上げるビジネスでもやるべきことは見えてくるはずです。
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