
一般的な「スニーカー選びの重視点」は何か
前項を踏まえて、スニーカーに関する調査を9segsとクロス集計して分析していきます。
まず、ブランドを問わず調査対象者が「スニーカー検討時に最も重視している項目」について、単一回答でニューバランスの9segsのセグメントごとに比較しました。全体平均では、1位から「履き心地が良い」「価格が手頃」「デザインが良い」「疲れにくい」「足へのフィット感がある」の順となっています。

次に、ニューバランスに関する調査の全体平均と、各セグメント顧客が重視する項目(計9セグメント)を見てみます。細かいですが、以下の図が一覧となります。

まず、ニューバランスを認知しており、購入経験はないがNPIは高い「7.積極・認知未購入顧客」を見ると、同率5位に「飽きずに長く履ける」が入る以外は大きな違いはありません。これらは、ニューバランスの認知未購入顧客で次の機会に検討している人、つまりトライアルを促しやすい人が重視している項目です。

一方、「1.積極・ロイヤル顧客」を見ると、同じように同率5位に「機能性が高い」が入りますが、上位5位の内容は変わりません。ただ、全体では4位の「疲れにくい」が2位になっていました。

つまり継続購入の意思があるロイヤル顧客は、履き心地や疲れにくさを重視しており、これらがロイヤル化(継続性) の大きな要因だと推察できます。逆に、ロイヤル顧客では価格の手頃さは重視点の順位が落ちるため、ロイヤル化やその維持にはそこまで価格は間われていないと考えられます。
各セグメントでの重視点は異なる
NPI、u-NPIが高い「積極層」で比較したのは、購入意向があるため顧客として獲得しやすい、あるいは「消極層」よりも既存顧客を維持しやすいからです。加えて、7.積極・認知未購入顧客から、1.積極・ロイヤル顧客へ転換を促せるとビジネスとしての成果が大きいため、マーケティング施策を実施する対象として優先順位が高いという理由もあります。
これら2分類の顧客がスニーカーを選ぶ際の重視点と、ニューバランスが狙う活動の差分が少ないほど、期待通りの価値を提供できていると考えられます。
調査からは、おおまかに次のようなことが分かりました。
スニーカー選びに関して
検討時に重視する「重視点」は、上位から「履き心地が良い」「価格が手頃」「デザインが良い」「疲れにくい」「足へのフィット感がある」。
男女別で見ると、1位の「履き心地」は女性で25.4%、男性だと15.3%で約10ポイントの差があり、女性で特に強い傾向がある。ニューバランスに関して
ニューバランスを高頻度で購入し、次回も買う意向がある層の1.積極・ロイヤル顧客は、調査回答者全体の回答と比べて「価格が手頃」かどうかは重要ではなく、「履き心地が良い」「疲れにくい」「機能性が高い」「足へのフィット感がある」点をより重視している。
これらを踏まえると、次のような考察ができます。ニューバランスの1.積極・ロイヤル顧客は、同ブランドに履き心地や疲れにくいことを重視しています。これらの特徴を評価して、継続購入している可能性が高いでしょう。もともと商品にその強みを有しており、それらに対して顧客満足度が高く、またニューバランス側としてもそう評価されるようにブランドを育成しているはずです。
1.積極・ロイヤル顧客が持つイメージは、「価格が手頃」以外は7.積極・認知・男性未購入顧客が重視することとも大きな乖離がありません。そのため、「価格が手頃」以外のポイントを訴求してトライアルの促進を実施し、初回購入後にそれらの項目を実感してもらってロイヤル顧客化するという道筋を描くことができます。
おそらく、店頭での未購入者への接客トークやフィッティングの段階から、この強みを訴求しているのではないかと考えられます。
まずは試着したいと思っていただく。実際に商品を体験する段階で、接客などを通じて履き心地の良さや疲れにくさを伝え、それらの実質的価値を十分に感じて満足できるように適切なサイズ選びなどを手助けし、ロイヤル化を促進していく。この一連の流れが、ブランドのグロース(成長)ルートの一つであるとデータから仮説が立ちます。
一方で、「価格が手頃」を重視する未購入者を獲得する上でも、価格訴求ではなく「履き心地が良い」「デザイン」「疲れにくさ」「足へのフィット感」などの、顧客のロイヤル化につながる訴求で試着を促すほうが効果が見込めそうです。
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