
これから企画・開発するプロダクトのN1インタビュー
本項では、ロイヤル顧客がいない新規プロダクトの場合や、既存プロダクトのロイヤル顧客以外へのインタビューの目的や対象者について解説します。
まず、これから企画・開発する新商品の場合は、競合商品や代替品のロイヤル顧客に話を聞きます。
たとえば、新規参入するカテゴリーのナンバーワンブランドのロイヤル顧客と離反顧客のインタビューを行い、どこに隙があるかを見つけていきます。
ナンバーワンブランドのユーザーでも満たしきれていない便益と独自性の組み合わせがあるとしたら、それはどんなものかを探るのです。
つまり、「この人たちに買っていただくためには何を提案したらいいのか」を、ナンバーワンブランドの代わりに提案すればいいということです。
もしくは、そのブランドに限らず、そのカテゴリーのロイヤリティ(継続的な購入意思)が高い人と、そのカテゴリーの商品をあまり買っていない人の差がどこにあるのかをN1インタビューで突き止めると、そこに隙間が見えてくることもあります。
買わなくなってしまった方へのN1インタビュー
買わなくなってしまったお客様にインタビューをする場合は、「離反顧客が戻るためのアイデアを探る」ことが目的となります。
以前は購入していたけれど、今は購入していないという方には「購入をやめた理由」を聞くのではなく、その方が気づいていなかった可能性のある便益や独自性を呈示し、「それだったら、もう1回買ってみようかな」と思わせられるかどうかを探るのです。
なぜなら、購入をやめた理由を聞いても明確な理由は出てこないからです。「値段が高かったから」という理由が出てくることも多いのですが、そこで値引きを考えるのではなく、「価格以外でどんな便益や独自性を提案したら、この方は再び購入してくださるのか、行動に移してくださるのか」を探ります。
大事なポイントは、プロダクトの便益と独自性にこだわり続け、お客様が本当に求めているニーズが何かを探ることです。
便益や独自性と関係のないところでお客様を惹きつけようとすると、結局のところは「今買ってくださったら50%引きにしますよ」といった価格施策を打つことになります。
ときどき、一度購入してくださったお客様は何がなんでも残さなければいけない、なんとか戻さなければいけないというモードになっている企業もあります。
何か違うと感じて購入や利用をやめたお客様に対して、「今買ってくれたら半額にします」などという営業メールや電話が何度もかかってくるというのは、お客様にとっては迷惑な行為でしかありません。
本来は、「ストラテジーマップ」を見て、お客様の状況と照らし合わせながら、どこに問題があったのかを考えていきます。そして、お客様による「価値の再評価」がどうなっていたのかを洞察して、離反から戻すための施策を考えるのです。
知っているけれど購入していない方へのN1インタビュー
プロダクトのことは知っているけれども購入経験はないという認知未購入のN1インタビューも、買わなくなってしまった方へのN1インタビューと同様です。
「どんな便益があれば、はじめて購入していただけるのか」を探りながら、話を聞いていきます。
仮に、「にんにく卵黄」という健康食品のロイヤル顧客にN1インタビューを行うとします。
にんにく卵黄は買ったことがないけれどロイヤルゼリーやマヌカハニーは購入して飲んでいるという方がいたら、ロイヤルゼリーやマヌカハニーからにんにく卵黄にスイッチしてもらうために、あるいは併用してもらうためには何をすればいいのかをN1インタビュー中の会話の中から探っていきます。
このように、購入頻度や次回購入意向でセグメントしたお客様に対して、それぞれの課題を常に念頭に置き、課題解決への提案を示しながら検証していきます。企業が収益を上げ、かつ継続的に利益を上げ続けるための方法は次の5つに収斂されます。
ロイヤル顧客からの売上と利益を伸ばす(購入頻度や購入単価を上げる)
一般顧客をロイヤル顧客化して売上と利益を伸ばす
自社のプロダクトを認知している潜在顧客を新規顧客化して売上を伸ばす
自社のプロダクトを認知していない潜在顧客から認知を獲得し、新規顧客化して売上を伸ばす
離反状態にある顧客を戻して売上を伸ばす
まずはプロダクトの顧客構造を振り返り、どのセグメントに課題があるか、また各セグメントで「どの人にどうなってもらいたいか」という「顧客戦略(WHO&WHAT)」の目標を設定していきます。
「ロイヤル顧客数を増やしたい」「新規顧客を増やしたい」「離反顧客を減らしたい」「購入頻度を増やしたい」などといった事業課題に沿って注力すべきセグメントを導き出し、戦略的にインタビューを実施していくことが重要です。
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