2-4-44:顧客の感覚を磨き、仮説の精度を上げる

顧客起点マーケティング N1分析
顧客の個別ニーズや感覚を重視し、N1分析やヒアリングを通じて仮説の精度を高めることがビジネス成功の鍵となります。
2-4-44:顧客の感覚を磨き、仮説の精度を上げる

周囲に「N1分析」を反対されたとき

「N1分析」に関しては、こんな質問をいただくこともあります。

「自分自身は『N1分析』をしたいと考えているものの、上司やクライアントがマスマーケティングを信じている。彼らを説得するにはどうしたらいいのか」

これは現場でよく見られる構図ですが、やはり上司やクライアントが「N1分析」に対する理解を深め、納得してくれなければ進めていくことは難しいでしょう。

そのとき、無理に相手を説得しようとするのではなく、まずは結果を出すことに集中するのも1つの考え方です。

たとえば、上司やクライアントに合わせて従来のマスマーケティング的な方法を進めながら、自分自身で「N1インタビュー」を行い、N1ベースの仮説を立て、打ち手の検討段階で「N1分析」から導き出したHOW (打ち手)を提案するというやり方もあります。

その際は、もちろん自社の顧客に話を聞くのが一番ですが、BtoCのプロダクトであれば、周囲の人たちにヒアリングすることで見えてくることもあります。

アックスヤマザキの山﨑社長も、友人やそのご家族などからミシンについて話を聞き、さらに友人が勤める学校の生徒に集まってもらって試作中のミシンの体験会をするなど、積極的に自分の周囲でヒアリングを重ねた結果、さまざまなアイデアを打ち出されています。

自分が使用しない商品であっても、周りのユーザーや顧客に話を聞いて「顧客の感覚」を磨いていくことはできるのです。

N1ベースで精度高い仮説を設定するには

オーナー社長が、自分の家族や偶然出会った顧客から聞いた話をもとに、新製品やリニューアル商品の企画をすることがあります。

周りの社員としては、一生懸命いろいろな調査や準備をしているのに、知り合いの意見ひとつで方向性が左右されることにとまどうこともあるかもしれません。

しかし、そうした「N1」の声をしっかり拾い上げ、ほかにも同じようなニーズを持つ人がいるのではないかという視点で物事をとらえていると、結果的に成功することも多いです。とくに創業社長やオーナー社長は、N1ベースで顧客の1人ひとりを重視している方が多いと感じます。

経営者でなくとも、こうした「顧客起点」で物事をとらえられると、ビジネスを進めるうえでも非常に有益です。マスマーケットを演繹的にとらえるアプローチを好む人が多い分、N1ベースの仮説を立てられると、効果のあるアイデアや打ち手を出しやすくなります。

大事な点は、1人ひとりの名前のある個人としてのお客様としっかり向き合い、そのお客様のニーズをつかむことです。それを続けていけば、精度の高い仮説設定ができるようになっていきます。

繰り返しになりますが、演繹的発想と帰納的発想のどちらも身につけておくことが重要です。

「N1分析」を行いながらも、自分の思い込みだけで進めずに組織として効果的に動くためには、ある程度はマーケットを定義し、9segsや5segsに分けて整理する必要があります。

しかし、それでも「N1」からスタートすることの重要性は変わりません。

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《西口一希》

N1分析