2-5-41:事例に学ぶ「2つのブランディング基本戦略」

顧客起点マーケティング ブランディングの誤解
黒字ニッチへの成長には、明確な価値と独自性を持ち、顧客を絞って提案し続けることが重要であり、不特定多数への施策を避ける必要があります。
2-5-41:事例に学ぶ「2つのブランディング基本戦略」
  • 2-5-41:事例に学ぶ「2つのブランディング基本戦略」
  • 2-5-41:事例に学ぶ「2つのブランディング基本戦略」
Geminiで生成

価値を強化し、潜在顧客への提案を続ける

前項では、ヤッホーブルーイングの成功例を紹介しました。ヤッホーのブレークスルーにつながった事実を、既出の項目「中小企業が狙うべき『黒字ニッチ』」で紹介した概念図で考えてみましょう。

ヤッホーは当初、赤字ニッチからの打開策として、テレビCMの放送、キャッシュバックなどのキャンペーン、大手コンビニを展開しました。このような不特定層を一気に取り込むことを狙ったブランディングでは、新規顧客はあまり生まれませんでした。

その後、よなよなエールが持つペールエールとしての便益と独自性に価値を見いだしてくれる潜在顧客に対して、ネット通販を通じて継続的に提案しました。これにより時間はかかりましたが、安定的な成長を実現しました。さらに商品に価値を感じた顧客から新しい顧客の獲得につながり、低迷を打開したことで黒字ニッチの状態へと成長を遂げました。

中小企業が黒字ニッチへと成長するために

これらの2つの事例から、中小企業のブランディングの基本的な戦略は2つが導き出せます。

1つめは、「自社の商品・サービスに備わっている強い便益と、他の選択肢を選ばない独自性を定義する。そして、その価値を見いだす顧客を特定し、その顧客層に絞り込み、愚直に提案し続ける」こと。そして、2つめは「価値を見いだしてくれるかどうかが分からない不特定多数に提案するような施策や投資は避ける」ことです。

ラッキーピエロは、調理に時間がかかっても得られる特別なおいしさと楽しい体験を、函館という地域と観光客に絞り込んでブランディングを活用して黒字ニッチとして成長しています。

ヤッホーはペールエールのフルーティーな独自のおいしさを、ネット通販とデジタルコミュニケーションを駆使して、全国に点在する潜在的な顧客に絞り込み、ブランディングを活用して黒字ニッチとして成長しました。

その先に、黒字ニッチからマスヘの拡大がありますが、それは市場の特性次第です。潜在的な顧客が多ければ、世間の誰もが知るようなマスブランドヘの道が開ける可能性があります。

ですが、しつこいようですが、全てのブランドが、マスブランドを目指す必要はありません。あくまで、事業として安定的に利益が得られて、明確な便益と独自性に価値を見いだし顧客が購入し続けてくれる継続性の確立こそが重要なのです。

まだ会員登録されていない方へ

会員になると、既読やブックマーク(また読みたい記事)の管理ができます。今後、会員限定記事も予定しています。登録は無料です


《西口一希》

ブランディングの誤解