2-5-25:「次に買うかどうか?」を指標とする分析方法

顧客起点マーケティング ブランディングの誤解
ブランド認知と購入意向を調査し、NPIとu-NPIの水準から現状や課題を分析したうえで、改善策を導き出す方法を解説しています。
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Geminiで生成

5segsや9segsを踏まえてNPIとu-NPIを導き出す

前項で紹介した、11つのスニーカーブランドに関する調査をどのような設計で行ったか、調査概要を紹介します。

本調査は21年12月にインターネット調査を実施。20~69歳の男女計8244人から有効回答を得ました。具体的には、11のブランドについて、以下の項目を尋ねました。ただし、6.は共通して一度の回答のみとしています。

  1. ブランド認知の有無
    ※以下2~4は、「知っている」と答えた人のみが対象

  2. 購入経験の有無

  3. 購入頻度(直近での購入を「3カ月以内」から「5年以上前」の8段階、購入頻度を「1年に3足以上」から「5年に1足未満」のア段階で尋ね、それらを組み合わせて離反、一般、ロイヤルに分類)

  4. 次回購入意向(NPI)の有無

  5. そのブランドにどのようなイメージを持っているか(履き心地が良い、デザインが良い、など、計29項目から複数回答)

  6. スニーカーの購入時にどのような項目を重視しているか(同上、計29項目から単一回答)

このうち1~3は、対象とする顧客全体を「未認知層/認知未購入層/離反層/ 一般顧客/ロイヤル顧客」の5分類に分けるメソッド「5segs」作成時の質問項目です。さらに4で、NPIの軸を加えて合計9分類にしたものが「9segs」ですが、まずは5segsとNPI、u-NPIをベースに解説します。

NPI、u-NPIの両方が高いニューバランス

1~4の結果は、次の図の通りです。

ニューバランスの「未認知」は18.1%となっていますが、これは調査対象8244人のうち、ニューバランスというブランドを知らない人の割合を示しています。「ロイヤル(5.5%)」は、全体のうちで半年以内に再購入した人の割合で、ヘビーユーザーと見なします。

NPIは全体のうちで「次は(次も)、対象ブランドを買いたい」と答えた人の割合です。そもそもブランドを知らない未認知の人からは回答を得られませんが、分母には未認知も含んでいます。

また、u-NPIは、現在の顧客である一般とロイヤルの人の中で次回購入意向が高い層の割合を足した値です。u-NPIがどれだけ高くても、そもそも認知度が低ければ、全体における未認知の割合が大きくなるためNPIは相対的に低くなります。

ブランドに対して、何らかのプラスの心理変化を起こし、事業成長に寄与する活動をブランディングだとするならば、その心理変化は近い将来に購入行動につながるはずです。ブランディング活動の結果、NPIやu-NPIが向上すれば、購入行動につながる心理変化を起こせたと見なせます。

逆に、ブランドの認知度や好感度が高まってもNPIが向上しなければ、直接的には購入に結びつきにくかったと推察できます。もちろん、目的が単純に「認知度の向上」だけであれば問題ありませんが、その場合は別の施策で直接的に購入意向を高めなければ、事業成果にはつながりません。ブランド名は知っているが、買いたいとは思わない顧客が増えるだけです。そう考えると、単純な認知度の向上はビジネス目的としては不適切です。

NPIとu-NPIの高低で導き出すブランドの現状

NPI、u-NPIの高低から、ブランドがどのような状態にあるかを4象限に整理しました。顧客分類とNPIの軸を組み合わせた調査は、各セグメントのNPIの比較や競合との比較を通して、自社や競合の強みや弱みが見え、様々な仮説のヒントになります。

当然、NPIとu-NPIがともに高い状態が理想的です(上図の右上の枠)。もしNPIは低いものの、u-NPIが高い場合(同右下枠)は、既存顧客のリピート意向が高いため一定期間は事業の安定が見込めます。ただし、未購入層の次回購入意向が低いため、新規顧客の獲得が見込みにくく、ブランドがニッチ化する可能性が高まります。

対策としては既存顧客の満足度は高いため、その理由を突き止められれば、その価値を未購入の方々にアピールすることで新規顧客化が見込める可能性があります。

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《西口一希》

ブランディングの誤解