2-5-35:マーケティングの「4P」にも大きな誤解

顧客起点マーケティング ブランディングの誤解
4Pは本来その中心に顧客がありましたが、誤って除外されたことで販売促進に偏った理解へと変質し、本来の狙いからずれています。
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Geminiで生成

4Pの中央には「C=顧客」があった

恐らく、最も有名であり、古くからあるマーケティングのフレームワークの「4P」にも大きな誤解があります。コトラー氏が過去に提唱してきた「マーケティングミックス」におけるフレームワークで、元となったのはマーケティング学者のエドモンド・ジェローム・マッカーシー氏が提唱されたフレームワークです。

マッカーシー氏が提唱した本来の4Pは、4つのPの中心に「C」、すなわちコンシューマー=顧客があったのです。4Pというのは、顧客に提供する価値を4つのPで考えるというフレームワークだったはずなのに、世に広まる中で「C」が削除され顧客が“不在”になってしまっているわけです。

「C」の欠落と、組織の分業化の関係

なぜ、このような顧客不在のマーケティングが広がったのかを考えてみました。それは、組織にマーケティングが導入される中で、既存組織の制約に対応してきたためだと思います。

コトラー氏やマーケティングの業界団体の定義では、「顧客に価値を生み出すためのプロセスであり、総合的な活動」と定義され、顧客への物づくり(プロダクト)と顧客への営業活動の両方が視野に入っていました。

1980年代までのマーケティングという概念が広がる以前の企業では、物づくりは開発部門が主導し、顧客への販売活動は営業が担っていました。

開発部門と営業組織がしっかりでき上がった組織に、後から導入されたマーケティングの多くが、開発部門と営業部門の間で、物づくりと販売活動を切り離した残りになってしまったと考えています。本来は、顧客を中心に据えて開発も営業活動も内包した「総合的な活動」を担うべきだったのです。

このようにマーケティングの実態が本来の定義から乖離していく中で、マーケティングの4Pに関しても、開発部門が担っているプロダクト(商品・サービス)や、営業が主導権を握るプレイス(販売場所やルート)やプライス(価格)を除いた、プロモーション(販売促進や広告コミュニケーション)を中心とした活動に限定されています。

また、事業主をサポートするマーケティングや広告代理店の活動もプロモーション主体の狭い範囲に絞られて、マーケティング全体からC(顧客)が抜け落ちていったと思われます。

そして、マーケティングは、単なる販売促進や広告コミュニケーションの「プロセス」や「売るための仕組み」と呼ばれるようになったのです。価値を創造しようとすると、必ず対象者としての顧客がいるので、価値を創造することを念頭に置けばこうした誤解は生まれなかったはずです。4Pを提唱されたコトラー氏にとっても本意ではないでしょう。

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《西口一希》

ブランディングの誤解