2-5-23:ブランディングの成功=事業成果

顧客起点マーケティング ブランディングの誤解
調査により、NPIとu-NPIは市場シェアやリピート率と高い相関を示し、ブランド成長やロイヤルティの予測に有効であることが示されています。
2-5-23:ブランディングの成功=事業成果
  • 2-5-23:ブランディングの成功=事業成果
  • 2-5-23:ブランディングの成功=事業成果
  • 2-5-23:ブランディングの成功=事業成果
Geminiで生成

NPIの優位性をNPSと調査データで比較する

NPIの優位性を検証するため、M-Forceとマクロミルで6カテゴリー・54ブランドに対する調査を実施しました。調査では対象カテゴリーとブランドのそれぞれで、20年12月に実施した調査で取得した認知度、満足度、好感度、NPS、NPI、半年、1年が経過した後の金額シェアの相関を調査しました。

これらのマーケティング指標と市場シェアを、半年後、1年後でそれぞれ比較して相関関係を分析しています。相関性が高いほど、未来の市場シェアを予測する有効な先行指標だと言えます。その調査結果が、次の表です。数値が1に近づくほど、相関性が高くなります。

半年後、1年後の市場シェアとNPSを比較した結果、相関係数は0.276と最下位でした。これは、NPSが高くても、顧客自身がその商品やサービスを継続的に購入するかどうかには大きく影響しないことを示しています。

一万で、NPIは市場シェアとの相関性が高く、1年後の相関係数は0.713と最も高い数値を示しました。これは、NPIが市場シェア拡大の先行指標として有効であることを示しており、ブランドの強さや成長性を見極める上で重要な指標として活用できることが証明されています。さらに、u-NPIについても同様に、リピート率や購入頻度と強い相関を示しており、NPSとは対照的に、実際の購入行動に密接に関連する指標であることが明らかになっています。

優良顧客分析でも、NPSは相関性が最下位に

また本調査では、継続的に商品・サービスを購入する優良顧客に焦点を定めたu-NPIと、満足度、NPSとの比較も実施しました。NPIは商品・サービスを認知している層の全体から、次回購入意向が高い層を全て足し合わせて算出するため、離反顧客や対象商品・サービスの購買経験がない層も含まれます。

一方、u-NPIは日ごろから商品・サービスを購入している「一般顧客」「ロイヤル顧客」を対象に、次回購入意向が高い層だけを足し合わせて算出します。つまり、顧客全体に占める、継続購入が見込める人の割合を示しています。

これを同様に商品・サービスの半年後、1年後のリピート率や購入頻度の総合指標である「金額SOR (シェア・オブ・リクヮイアメント)」の推移と比較しました。金額SORとは特定のカテゴリーの消費金額に占める、商品・サービスの割合を表します。例えば、ビールに年間1万円を使う層の中で、アサヒビールの「スーパードライ」が占める割合と説明すると分かりやすいかと思います。結果として、u-NPIが最も相関性が強く、1年後の相関係数は0.653となり、一方、NPSは0.154でこちらでも最下位となっています。

NPIは次回購入意向を測ることで、顧客が次回もそのブランドを選ぶ可能性が高いかどうかを評価し、市場シェアやリピート購入率との相関性が高いため、事業成長の予測においてNPSよりも優れた指標となります。このため、NPIはブランドのロイヤルティーを評価する上で、より正確で実用的な指標として優れた結果を示しています。

NPIでブランドのロイヤルティーを評価する

筆者は、これまでに40社超の経営サポートと投資活動に関わってきましたが、将来のビジネスを事前予測をする指標としてのNPIおよびu-NPIに手応えは実感していました。この客観的な追跡調査で、将来の予測指標としての有効性が確認され、より多くの企業で広く活用されるのではないかと思います。

また、事業の将来性に関する投資家の評価方法として活用される可能性もあると考えます。さらに、投資活動が、顧客の心理と行動にどのような変化をもたらしているかにいち早く気付くことで、継続的な収益性向上が実現できると確信しています。

NPIおよびu-NPIをビジネスの先行指標とすれば、自社ブランドや競合を含めたブランドの調査において、両指標とも高いブランドはその後の成長性が高いと推察できます。

また、男女別のスコアの比較や、各ブランドの購入前のイメージと購入時に重視する項目のスコアを比較することで、次の打ち手のヒントを得ることができます。

まだ会員登録されていない方へ

会員になると、既読やブックマーク(また読みたい記事)の管理ができます。今後、会員限定記事も予定しています。登録は無料です


《西口一希》

ブランディングの誤解