2-5-22:NPI(次回購入意向)の意味と意義

顧客起点マーケティング ブランディングの誤解
NPIは顧客の次回購入意向を測る指標であり、マーケットシェアの拡大に有効です。
2-5-22:NPI(次回購入意向)の意味と意義
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ブランディング効果の測定に有効な指標

ここからは、ブランディングの効果測定に有効な指標を解説していきます。本項ではまず、ブランディングの効果測定指標としてよく用いられるNPS(ネット・プロモーター・スコア=周囲の人にどのくらい薦めたいか)と、NPI(ネクスト・パーチェス・インテンション=次回購入意向)を比較しながら、NPIの優位性をひも解きます。

NPSとは顧客ロイヤルティーを測る指標であり、特定のブランドやサービスを他人に推奨する意欲を評価するものです。顧客に対して「対象の商品・サービスを他の人に薦めたいか」を尋ね、0から10の評価を基に「推奨者(9~10点)」「中立者(7~8点)」「批判者(0~6点)」に分類し、推奨者の割合から批判者の割合を差し引いた数値がNPSです。この数値が高いほど、顧客がブランドを他人に薦める意欲が高いことを示します。

NPSは、商品・サービスを第三者に推奨する度合いを示しますが、実際の購入行動とは必ずしも一致しないことが調査結果で示されています。例えば、高級車などのように、薦めたいと思っても、自分では購入しないケースがあるため、推奨意向と実際の購入行動にギャップが生じます。

「次の機会に購入したいか」を測るNPI

一方、NPIは「次にそのブランドを買いたい人」の割合です。また、「既存顧客における『次も買いたい』人の割合」は、「u-NPI (ユーザー・ネクス卜・パーチェス・インテンション=顧客内次回購入意向)」と呼びます。消費者や顧客が、次回もそのブランドの商品を積極的に選ぶかどうかを測る指標です。

NPIは筆者が提唱した指標で、筆者が創業したM-Force(東京・港)を主体とし、研究と活用が進められています。本項の後段で解説しますが、M-Forceと調査会社のマクロミルによる2年にわたる追跡調査を実施した結果、NPIは認知度や好感度などの指標と比べて、事業成果であるマーケットシェア拡大に対してより有効な先行指標となることが示唆されています(M-Forceは、24年7月にマクロミルヘ売却し、マクロミルの100%子会社となっている)。

NPIの測定は、まず本シリーズでも繰り返し登場する顧客分類のメソッド「9segs」に基づき、顧客を次回購入意向の高さで9分類します。その中でも高い意向を示す顧客層の割合を計算することで、算出されます。つまり、NPIは「消費者や顧客が次は(もしくは次も)そのブランドを選ぶ可能性が高いかどうか」を示す指標です。

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《西口一希》

ブランディングの誤解