
顧客をセグメンテーションする意味
5segsを用いた「カスタマーダイナミクスで投資の最適解を見つける」の項目で、カスタマーダイナミクスを用いてマス思考を回避することを解説しました。5segsカスタマーダイナミクスでは、顧客を5つのセグメントと4つの動態(ロイヤル化、離反復帰、新規獲得、離反防止)で捉え、それぞれの顧客動態に応じた戦略が重要です。この理解を組織全体で共有することで、部門横断的な連携が可能になります。
経営層は、これら4つの顧客動態すべてに対し、投資対効果を最大化する戦略(WHO&WHAT)を主導し、その実行手段(HOW)を部門間で共有することで、利益性を強化します。

また、最適な顧客戦略は「1対1」と「1対マス」の間にあります。マス思考では投資が無駄になりがちである一方、完全な1対1では効率が悪いため、最適なセグメンテーションを通してアプローチすべき顧客層を特定することが、投資対効果の最大化につながります。

投資を最適化する顧客戦略を探る
同様に9segsも、1対1と1対マスの間にある投資の最適化を見いだす役割を担います。5segsに対して、「次に購入するかどうか(NPI)」という顧客の意志を加味した9segsは、さらに顧客を精緻に分類します。次の図でいうと、より1対1のマーケティングに近づくことになり、「マス思考」から脱却する起点になります。
1対1のビジネスと、不特定多数を対象とするマスマーケティングのビジネスの間にある、もっとも投資対効果が高い顧客戦略(WHO&WHAT)を見つけて実行することが、事業成長に寄与します。
一連のプロセスをまとめます。顧客を適切に分類し、WHOを見定め、顧客戦略を立案し施策に落とし込みます。そして施策前後でカスタマーダイナミクスを比較し、想定通りにセグメント間の顧客に動いてもらうことができたのかを確認します。このPDCAを回していくことが、3つのフレームワークを活用して実現する「顧客起点の経営」といえます。

まだ会員登録されていない方へ
会員になると、既読やブックマーク(また読みたい記事)の管理ができます。今後、会員限定記事も予定しています。登録は無料です