1-4-22:セス・ゴーディン

セス・ゴーディンは、アメリカの著述家、起業家、マーケター、そして講演家です。マーケティング、リーダーシップ、イノベーションに関する多くの著書で知られており、特に「パーミッション・マーケティング」と「パープルカウ」の概念は、現代のマーケティングに大きな影響を与えました。
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近日発売予定の著書『マーケティング大全』で紹介するマーケティングの発展に関して大きな影響を与えてきた26人を含む41人の紹介と、主要な理論や研究の概要を解説します。マーケティングの学習と実践に役立てるべく、41人の貢献の中に見える共通項や異なる視点を学びとっていただければと思います。

セス・ゴーディン(Seth Godin、1960年 - )は、アメリカの著述家、起業家、マーケター、そして講演家です。彼は、マーケティング、リーダーシップ、イノベーションに関する多くの著書で知られており、特に「パーミッション・マーケティング (Permission Marketing)」と「パープルカウ (Purple Cow)」の概念は、現代のマーケティングに大きな影響を与えています。

「パーミッション・マーケティング」

パーミッション・マーケティングは、セス・ゴーディンが1999年に同名の著書『パーミッション・マーケティング』で提唱した概念で、顧客から事前に許可(パーミッション)を得てから行うマーケティング手法です。従来のプッシュ型マーケティング(一方的に情報を送りつけるマーケティング)とは対照的に、顧客が自ら情報を受け取ることを選択するため、エンゲージメント率が高く、顧客との長期的な関係構築に有効です。

パーミッション・マーケティングの特徴

  • 顧客の同意に基づく: 顧客からの明示的な許可を得て情報を送信します(オプトイン)。

  • 双方向のコミュニケーション: 企業と顧客の間で対話が生まれることを重視します。

  • 関係性の構築: 短期的な売上だけでなく、長期的な顧客関係の構築を目指します。

  • 顧客の関心に合わせた情報提供: 顧客の興味やニーズに合わせた情報を提供することで、顧客のエンゲージメントを高めます。

「パーミッション・マーケティングの特徴」

  • 顧客の同意に基づく

  • 双方向のコミュニケーション

  • 関係性の構築

  • 顧客の関心に合わせた情報提供

例えば、顧客がメールマガジンの購読に登録した場合、企業は顧客にメールを送信する許可を得たとみなされます。また、顧客が企業のソーシャルメディアアカウントをフォローした場合、企業は顧客に情報を発信する許可を得たとみなされます。顧客がWebサイトの登録フォームに情報を入力した場合、企業は顧客に連絡を取る許可を得たとみなされます。

「パープルカウ」

「パープルカウ」は、セス・ゴーディンが2003年に出版した著書のタイトルであり、目立つこと、注目を集めることの重要性を説いた概念です。彼は、「平凡な茶色の牛ばかりの牧場の中で、紫色の牛がいれば誰もが注目する」という例えを用いて、製品やサービスが「注目に値する (remarkable)」存在でなければ、現代の飽和した市場では成功できないと主張しました。まず、消費者の注目を集め、口コミを広げるためには、他とは違う、際立った特徴を持つ製品やサービスを提供する必要があります。また、従来のマーケティングは、製品が完成した後に行われるものでしたが、パープルカウの概念では、マーケティングは製品開発の段階から考慮されるべきだと考えます。特に、新しい製品やサービスは、イノベーターとアーリーアダプターに受け入れられることで口コミが広がり、メインストリーム市場に普及していくため、彼らに注力することが重要です。

例えば、iPhoneは、洗練されたデザインと革新的な機能で、スマートフォン市場に革命を起こし、テスラは、電気自動車という新しいカテゴリーを開拓し、従来の自動車とは異なる魅力で注目を集めています。

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《西口一希》

マーケティングに影響を与えた41人と理論