主力事業は好調なのに、次の柱が育たない ―罠20:探索の後回し

主力事業が好調なら、人と予算はそこに集まります。しかし主力の改善と、次の事業の探索は、同じ物差しでは比べられません。今の成果の大きさを次の探索を後回しにしてよい理由と取り違えるのが、この罠です。
主力事業は好調なのに、次の柱が育たない ―罠20:探索の後回し
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経営計画の会議で、主力事業の改善案は具体的で、数字も付いています。新しい事業の案は仮説ばかりで、担当者は主力との兼務です。「まず主力を固めてから」。毎年その結論で、新しい案は来年に回ります。

架空の産業用部品メーカーで考えてみます。主力事業は利益率を保ち、五年間の投資の九割超が主力の改善に使われました。同じ五年間で始めた新しい探索は三件、いずれも担当者が主力との兼務で、繁忙期に手が止まり、一年以内に自然に消えました。五年たって、次の柱として残ったものは一つもありません。

好調な主力事業に投資し、改善を続けることは正しい判断です。罠が始まるのは、探索を主力と同じ会議、同じ担当者、同じ評価で扱い、比べるたびに負ける側に置いたときです。

《西口一希》

ビジネスの罠と解決法