マーケティング部が、広告の手配部門になっている ―罠7:販促とマーケティングの混同

広告や販促の運用は、マーケティングの一部です。しかしその部分だけを任され、顧客、商品、価格、利益の議論には加わらない場合、販促の運用をマーケティングそのものと取り違えてしまう。それが今回の罠です。
マーケティング部が、広告の手配部門になっている ―罠7:販促とマーケティングの混同
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「発売は来月です。広告と店頭の販促をお願いします」。マーケティング部への依頼は、商品と価格が決まった後に来ます。担当者は代理店と打ち合わせ、媒体を選び、キャンペーンを組みます。忙しく、成果も数字で報告できます。それでも、売れ続けない商品があります。

架空の飲料メーカーで考えてみます。商品開発部が炭酸入りの無糖茶を企画し、営業部が価格を決め、マーケティング部は発売時の認知獲得を任されました。広告の結果、認知率は目標の30%を超える35%、初回の販売数は計画の110%でした。ところが三か月後、販売数は計画の40%まで落ちました。店頭では、食事に炭酸が合わないという声が出ていましたが、商品と価格はマーケティング部が変えられる範囲にありませんでした。

ここまでの分担に間違いはありません。広告と販促には専門性があり、専門の部門に任せるのは正しい判断です。罠が始まるのは、その分担を「マーケティングとは広告と販促のこと」という定義に固定し、顧客が買い続ける理由を誰も担保しなくなったときです。

《西口一希》

ビジネスの罠と解決法