「欲しい」「無料なら使う」を、売れる証拠にしてしまう ―罠13:意向と購買の混同

調査で「欲しい」と答えた人が多いと、売れる手応えを感じます。しかし「欲しい」と言うことと、自分のお金と時間を使うことは、別の行動です。好意的な反応を需要の成立と取り違えるのが、この罠です。
「欲しい」「無料なら使う」を、売れる証拠にしてしまう ―罠13:意向と購買の混同
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新商品の提案資料には、「欲しいと答えた人が八割」「無料登録が五千人」という数字が並びます。SNSでも話題になりました。会議は前向きで、量産と広告の予算が通ります。

架空の家計管理アプリで考えてみます。事前の調査では、「使ってみたい」が八割でした。無料版を公開すると、一か月で五千人が登録しました。ところが、月額の有料版に移ったのは五十人、登録者の1%です。無料版でさえ、一か月後も使い続けている人は一割でした。

顧客の声を集め、反応を見ることは正しい仕事です。罠が始まるのは、負担のない反応の多さを負担を伴う行動の証拠として数えたときです。

《西口一希》

ビジネスの罠と解決法