新商品の提案資料には、「欲しいと答えた人が八割」「無料登録が五千人」という数字が並びます。SNSでも話題になりました。会議は前向きで、量産と広告の予算が通ります。架空の家計管理アプリで考えてみます。事前の調査では、「使ってみたい」が八割でした。無料版を公開すると、一か月で五千人が登録しました。ところが、月額の有料版に移ったのは五十人、登録者の1%です。無料版でさえ、一か月後も使い続けている人は一割でした。顧客の声を集め、反応を見ることは正しい仕事です。罠が始まるのは、負担のない反応の多さを負担を伴う行動の証拠として数えたときです。