去年の勝ちパターンが、今年も通用するとは限らない -罠6:成功体験の固定化

一度ヒットした商品や施策は、今年も受け入れられると期待したくなります。しかし顧客の生活は動いており、去年役立った場面が今年もあるとは限りません。売れた実績と今も役立つ理由を取り違えるのが、この罠です。
去年の勝ちパターンが、今年も通用するとは限らない -罠6:成功体験の固定化
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昨年、売上を伸ばした商品には、今年も予算を付けたくなります。顧客に選ばれた実績があり、現場も売り方を知っているからです。実績のある商品に予算を付けること自体は、正しい判断です。罠が始まるのは、昨年の商品が役立った場面が今も同じかを確かめずに、先へ進めたときです。

架空の冷凍総菜の会社で考えてみます。家族の夕食向けに売り出した、袋ごと温める大袋セットは、調理の手間が省け、一食あたりの価格も抑えられると好評でした。会社は今年も、量と割安さを前面に出して販売しました。ところが、同じ販路で同じ価格の商品を買った新規顧客のうち、初回購入から一か月以内に再注文した割合は、前年の同じ時期の40%から、今年は25%に下がっていました。

「前は好評だったのだから、広告を増やせば戻る」という案が出ます。昨年の売上と顧客の好意的な声は、その案が出る理由になります。しかし広告は、商品を知らない人には効いても、一度買って再注文しなかった人には効きません。今年の顧客が再注文しない理由は、広告の量では分からないのです。

《西口一希》

ビジネスの罠と解決法