大きな市場の1%なら、控えめな計画に見えます。しかし市場の大きさは、自社が届く範囲とは別の数字です。市場規模に希望のシェアを掛けた金額を売上の見込みと取り違えるのが、この罠です。

事業計画の一枚目には、市場規模の円グラフがあります。「5,000億円の市場です。1%でも50億円」。聞く側も、1%なら取れそうだと感じます。その1%を誰にどう売るかは、次のページに書いてありません。
架空の業務用の清掃ロボットで考えてみます。国内の清掃市場は5,000億円、計画は「1%で50億円」でした。しかし自社の営業が三年で回れる施設は2,000か所、導入率は良くて一割、一台の年間利用料は250万円です。積み上げると、三年目の売上は5億円。計画の十分の一でした。市場の1%より、届く範囲の方がはるかに小さかったのです。
市場の大きさを把握することは、正しい仕事です。罠が始まるのは、市場規模に希望のシェアを掛けて計画を作り、その数字が届く顧客と供給の上限を飛び越えていることを見なかったときです。

