最初の成功を、そのまま量産できると思ってしまう ―罠14:再現性の見落とし

最初の顧客が付くと、同じやり方を増やせば伸びると考えたくなります。しかし最初の成功には、その場にしかない条件が混じっています。特別な条件で売れたことを誰がやっても売れる証拠と取り違えるのが、この罠です。
最初の成功を、そのまま量産できると思ってしまう ―罠14:再現性の見落とし
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「創業者だけでも半年で十社に売った。営業を三人採用して、三倍にしよう」。事業計画の数字はそのまま三倍になり、採用が始まります。半年後、新しい営業の受注は一社でした。

架空の業務用ソフトの会社で考えてみます。創業者は半年で十社と契約しました。相手は知り合いの経営者が多く、価格は個別に決め、導入後の設定は創業者自身が二週間ずつ付き添いました。新しく採用した営業三人は、標準の価格表と資料で半年動き、受注は合わせて一社でした。

最初の成功を土台に増員することは、正しい判断です。罠が始まるのは、その十社が「誰が、誰に、どんな条件で」売れたのかを言葉にせず、件数だけを再現できる実績として数えたときです。

《西口一希》

ビジネスの罠と解決法