フレームワークは埋まったのに、戦略がない -罠3:分析と決断の混同

フレームワークは、状況を整理する道具です。しかし欄が埋まった時点で何をするかまで決まったように感じてしまいます。分析が整っただけなのに、決断まで済んだと取り違えるのが、この罠です。
フレームワークは埋まったのに、戦略がない -罠3:分析と決断の混同
  • フレームワークは埋まったのに、戦略がない -罠3:分析と決断の混同
  • フレームワークは埋まったのに、戦略がない -罠3:分析と決断の混同
  • フレームワークは埋まったのに、戦略がない -罠3:分析と決断の混同

戦略会議に、よく整理された資料が出てきます。自社の強みと弱み、外部環境の機会と脅威を並べるSWOT分析も、競合商品を比較した図もある。説明を聞くと、なるほどと思えます。ところが、会議が終わっても、どの顧客に何を提案し、どこへ人と予算を使うかが決まっていません。皆さんの会議でも、似た場面はないでしょうか。

フレームワークで整理するところまでは、正しい仕事です。情報の見落としが減り、同じ枠で考えれば、部門を越えて話し合いやすくもなります。罠が始まるのは、欄が埋まって安心し、会社として何を選ぶかという仕事が残っていることを忘れたときです。

架空の部品メーカーで考えてみます。自社のSWOT分析をすると「小ロットへの対応が強み」「価格は競合より高い」と浮かび上がりました。ここから、二つの方向性が生まれます。一つは大口顧客に向けて設備を増やし、原価を下げる案。もう一方は、少量を急いで必要とする顧客へ、小ロットの価値を提案する案です。同じ情報から、正反対の案が生まれる。しかし、この分析結果には、どちらを選ぶかまで書かれていないのです。

《西口一希》

ビジネスの罠と解決法