すべてを重要としたのに、なぜ仕事が進まないのか ―罠2:優先順位の不在

目標に近づくほど、やるべきことは増えます。しかし現場が使える時間は増えません。順位を並べただけで、時間の配分まで決めた優先順位があると取り違えるのが、この罠です。
すべてを重要としたのに、なぜ仕事が進まないのか ―罠2:優先順位の不在
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新規顧客を増やす。既存顧客の不満を減らす。新商品も育てる。会議に並ぶ提案は、どれも大切です。誰も反対せず、すべてが重点施策になりました。ところが翌月、進捗表は更新されているのに、顧客へ届けられるものが仕上がっていません。ここで見ておきたい数字があります。引き受けた仕事の総量です。

仮の数字で考えます。通常業務を除いて、改善施策に使える時間がチーム全体で月100時間あり、今月中に終える四つの施策に計160時間が必要だとします。60時間の不足です。全員が少しずつ四つに着手しても、不足は消えません。案件ごとに確認相手や情報が変われば、切り替えの負担も加わります。

ここまでの判断に間違いはありません。個々の提案には取り組む理由があり、一件ずつ審議すれば、どれも承認したくなります。罠が始まるのは、積み上げた承認の合計を誰も確かめないときです。

《西口一希》

ビジネスの罠と解決法