

5.ブランドの顧客関係やポジショニングに関連
「ブランド・ブランディングに関する158語彙:8分類と62の優先語彙」で紹介した8分類に沿って、非優先の96語彙を解説しています。ここでは「分類5.ブランドの顧客関係やポジショニングに関連するもの」として、ブランドエバンジェリスト、ブランドエンゲージメントなど13語彙を解説します。
カルチャーブランディング (Culture Branding)
特定の文化やライフスタイルに根ざしたブランド作りを行う手法です。
事例1:ナイキは、スポーツ文化を軸にしたブランディングを展開しています。
事例2:Vansは、スケートボード文化に基づいたブランドイメージを確立しています。
事例3:BEAMSは、日本のストリートファッションとライフスタイルを反映したカルチャーブランディングで成功を収めています。
ビジョンブランディング (Vision Branding)
企業やブランドの将来像や使命を強調し、ブランドの方向性や価値観を顧客に伝える手法です。
事例1:Teslaは、「持続可能なエネルギーへの移行を加速する」をビジョンとして掲げ、ビジョンブランディングを展開しています。
事例2:IKEAは、「より快適な毎日を、より多くの方々に」というビジョンを強調しています。
事例3:ソフトバンクは、「情報革命で人々を幸せにする」というビジョンを通じてブランド価値を高めています。
ブランドアドボカシー(Brand Advocacy)
顧客や従業員がブランドを積極的に推奨し、支持すること。口コミやソーシャルメディアでの推奨活動が含まれます。
事例1:Appleは、熱心なユーザーが自発的に製品を推奨するブランドアドボカシーを持っています。
事例2:パタゴニアは、環境保護を支持する顧客がブランドの強力なアドボケイトとなっています。
事例3:ソニーは、従業員がブランドの革新性をアピールし、アドボカシーを促進しています。
ブランドエバンジェリスト(Brand Evangelist)
自発的にブランドを推奨し、周囲に広める、熱心な支持者やファンのことを指します。
事例1:Appleのファンは、新製品を自発的に推奨するエバンジェリストとして活動しています。
事例2:Teslaのユーザーは、電気自動車のメリットを広める役割を担っています。
事例3:ユニクロでは、熱心なファンがSNSでブランドを広めることで、エバンジェリストの役割を果たしています。
ブランドエンゲージメント(Brand Engagement)
顧客がブランドと積極的に関わり、ブランドに対して感情的なつながりを持つことを指します。
事例1:スターバックスは、モバイルアプリやロイヤルティプログラムで顧客のエンゲージメントを高めています。
事例2:ナイキは、ソーシャルメディアを通じて、ユーザーとのエンゲージメントを強化しています。
事例3:楽天は、ポイントプログラムを通じて顧客のエンゲージメントを高め、ブランドロイヤルティを促進しています。
ブランドオーディエンス(Brand Audience)
ブランドがターゲットとしている顧客層や顧客グループ。ブランドが誰に向けて発信しているかを明確にします。
事例1:Appleは、革新を求めるテクノロジー愛好家を主要なブランドオーディエンスとしています。
事例2:レッドブルは、冒険心と挑戦を持つ若者をブランドオーディエンスにしています。
事例3:無印良品は、シンプルで持続可能なライフスタイルを好む顧客層をターゲットにしています。
ブランドコミュニティ(Brand Community)
ブランドを支持する顧客やファンが形成するコミュニティ。共通の価値観や経験を共有する場のことを指します。
事例1:ハーレーダビッドソンは、ライダー同士のコミュニティを強力に支援し、ブランドのロイヤルティを強化しています。
事例2:ナイキは、スポーツコミュニティと密接に連携し、ブランドエンゲージメントを高めています。
事例3:スターバックスは、店舗を通じてコーヒー愛好家のコミュニティを形成し、ブランド価値を高めています。
ブランドセグメンテーション(Brand Segmentation)
異なるターゲット市場に対して、ブランドメッセージや製品ラインをカスタマイズする手法です。
事例1:コカ・コーラは、「コカ・コーラ Zero」などの製品で異なる顧客層に対応しています
事例2:ロレアルは、年齢や肌タイプに合わせた化粧品ラインを展開しています。
事例3:日産は、都市型車両からSUVまで、異なるセグメント向けに製品を提供しています。
ブランドトラスト(Brand Trust)
顧客がブランドに対して信頼を寄せ、長期的な関係を築く要素です。
事例1:Appleは、製品の品質とデザインで顧客の信頼を得ています。
事例2:Amazonは、迅速で信頼できるサービスでブランドトラストを高めています。
事例3:パナソニックは、長年にわたり信頼性の高い製品を提供し、ブランドトラストを築いています。
ブランドバリュープロポジション(Brand Value Proposition)
ブランドが顧客に提案する独自の価値。競合ブランドとの差別化要因となります。
事例1:Appleは、デザインと使いやすさを強調するバリュープロポジションを持っています。
事例2:Teslaは、革新技術を駆使して、持続可能なエネルギーの未来を切り開くことをバリュープロポジションとしています。
事例3:ユニクロは、品質と手頃な価格を両立させたバリュープロポジションを展開しています。
ブランドリレーションシップ(Brand Relationship)
顧客とブランドの間に築かれる長期的な関係。信頼や感情的な結びつきが含まれます。
事例1:Appleは、製品を超えた顧客との深いリレーションシップを持っています。
事例2:コカ・コーラは、家族間の親愛や友情と結びついたリレーションシップを強調しています。
事例3:楽天は、ポイント制度や顧客ロイヤルティを通じて、顧客との強いリレーションシップを築いています。
ブランド自己適合性 (Brand Self Compatibility)
顧客が、「自身の価値観やライフスタイルとブランドが一致している」と感じることを指します。
事例1:パタゴニアは、環境保護を重視する顧客に、自己適合性の高いブランドとして認識されています。
事例2:Appleは、革新とデザインにこだわる顧客に、高い自己適合性を提供しています。
事例3:無印良品は、シンプルで自然なライフスタイルを好む顧客と自己適合性が高いといえます。
リレーショナルシップブランディング (Relationship Branding)
顧客との長期的で強い関係を構築するブランディングです。信頼や感情的なつながりを重視します。
事例1:Appleは、製品の品質とカスタマーサービスを通じて、顧客との強い関係を築いています。
事例2:コカ・コーラは、親しみやすさと一貫したブランドメッセージで顧客との長期的な関係を維持しています。
事例3:ソフトバンクは、顧客との密接な関係を構築し、リレーショナルシップブランディングを強化しています。
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