1-3-26:セグメントブランディング、ブランドイニシアチブ、ほか

ブランディング手法に関する語彙を列挙。コカ・コーラ、スターバックス、資生堂などの事例を紹介します。
1-3-26:セグメントブランディング、ブランドイニシアチブ、ほか

2.ブランディング手法に関連

「ブランド・ブランディングに関する158語彙:8分類と62の優先語彙」で紹介した8分類に沿って、非優先の96語彙を解説しています。ここでは「分類2.ブランディング手法に関連するもの」として、セグメントブランディング、ブランドイニシアチブなど13語彙を解説します。

オムニチャネルブランディング (OmniChannel Branding)

オンラインとオフラインの複数チャネルで、統一したブランド体験を提供する手法です。

  • 事例1:ナイキは、オンラインと実店舗で一貫した顧客体験を提供しています。

  • 事例2:スターバックスは、モバイルアプリと店舗でのサービスを統合しています。

  • 事例3:無印良品は、オンラインストアと実店舗で統一されたブランド体験を提供し、オムニチャネル戦略を強化しています。

クロスチャネルブランディング (CrossChannel Branding)

異なるチャネルを組み合わせて、一貫したブランドメッセージを伝える手法です。

  • 事例1:コカ・コーラは、テレビ広告やデジタルメディアで統一されたメッセージを発信しています。

  • 事例2:コスメストアのSephoraは、オンラインとオフラインのショッピング体験を統合しています。

  • 事例3:ユニクロは、オンライン広告、アプリ、実店舗でのクロスチャネル戦略を展開しています。

セグメントブランディング (Segment Branding)

特定の市場セグメントに向けて、ブランドメッセージをカスタマイズする手法です。

  • 事例1:P&Gは、「パンパース」と「ジレット」で異なるターゲット層に訴求しています。

  • 事例2:コカ・コーラは、若者向けに「コカ・コーラ ゼロ」を展開しています。

  • 事例3:資生堂は、異なる年齢層やライフスタイルに合わせた製品ラインを展開し、セグメントブランディングを強化しています。

ソーシャルメディアブランディング (Social Media Branding)

ソーシャルメディアを活用して、ブランド認知度やエンゲージメントを高める手法です。

  • 事例1:ナイキは、Instagramでスポーツコミュニティとの強い関係を築いています。

  • 事例2:コカ・コーラは、Xでのキャンペーンを通じてブランドとのエンゲージメントを高めました。

  • 事例3:無印良品は、Instagramを通じてシンプルでエコなライフスタイルを訴求し、フォロワーと強い関係を築いています。

データドリブンブランディング (Data Driven Branding)

顧客データを活用して、よりパーソナライズされたブランドメッセージを提供する手法です。

  • 事例1:Netflixは、ユーザーの視聴データを基に個別のレコメンデーションを提供しています。

  • 事例2:Amazonは、購買履歴を基にパーソナライズされた商品提案を行っています。

  • 事例3:楽天は、顧客データを活用して、パーソナライズされたキャンペーンを展開し、ブランド価値を高めています。

パートナーシップブランディング (Partnership Branding)

他ブランドや企業と提携し、双方のブランド価値を高めるためのブランディング手法です。

  • 事例1:ナイキとAppleの提携は、スポーツとテクノロジーを融合したパートナーシップブランディングの成功例です。

  • 事例2:スターバックスとSpotifyは、音楽とコーヒーを組み合わせた新しい体験を提供しています。

  • 事例3:日本のトヨタとパナソニックは、EVバッテリー開発で協力し、パートナーシップブランディングを進めています。

パフォーマンスブランディング (Performance Branding)

製品やサービスの性能を強調し、ブランド価値を高める手法です。

  • 事例1:ダイソンは、革新的な掃除機技術でパフォーマンスブランディングを確立しています。

  • 事例2:Teslaは、電気自動車の高い性能を前面に押し出したブランド戦略を展開しています。

  • 事例3:トヨタのプリウスは、燃費性能を強調し、パフォーマンスブランディングで成功を収めています。

ビジュアルブランディング (Visual Branding)

ブランドの視覚的な要素(ロゴ、カラー、フォントなど)を通じて、ブランドの認知度や印象を向上させる手法です。

  • 事例1:コカ・コーラは、赤と白のカラーとフォントで、一貫したビジュアルブランディングを確立しています。

  • 事例2:Appleは、ミニマルで洗練されたデザインを通じて、ブランドのプレミアム感を強調しています。

  • 事例3:無印良品は、シンプルで統一感のあるデザインを通じて視覚的な一貫性を保ち、ブランドの独自性を強調しています。

ブランドアクティベーション(Brand Activation)

顧客に対してブランドを活性化し、ブランド体験を提供する活動。イベント、キャンペーン、体験型マーケティングが含まれます。

  • 事例1:コカ・コーラは、オリンピックスポンサーとして顧客にブランド体験を提供しています。

  • 事例2:レッドブルは、スポーツイベントを通じてブランドアクティベーションを強化しています。

  • 事例3:キリンビールは、ビール工場見学ツアーを通じて顧客にブランド体験を提供しています。

ブランドイニシアチブ(Brand Initiative)

ブランドの成長や市場拡大を目的として企業が打ち出す、戦略的な取り組みやキャンペーンを指します。

  • 事例1:コカ・コーラは、「Share a Coke」キャンペーンで、顧客参加型のブランドイニシアチブを展開しました。

  • 事例2:ナイキは、「Just Do It」キャンペーンで顧客の行動を促すイニシアチブを行っています。

  • 事例3:楽天は、顧客ロイヤルティを高めるためのポイントプログラムを、ブランドイニシアチブとして展開しています。

ブランドエクステンション(Brand Extension)

既存のブランドを、新しい製品やカテゴリーに拡張することを指します。

  • 事例1:Appleは、スマートフォンからタブレット、スマートウォッチへとブランドを拡張しています。

  • 事例2:英のVirginは、航空業から音楽やホテル業など多分野にブランドを拡大しています。

  • 事例3:キリンは、ビールブランドからノンアルコール飲料や健康食品へとブランドエクステンションを行っています。

ブランドコンテンツマーケティング(Brand Content Marketing)

価値あるコンテンツを提供し、顧客とのエンゲージメントを高めるマーケティング手法です。

  • 事例1:レッドブルは、スポーツや冒険に関するコンテンツを提供し、ブランドのイメージを強化しています。

  • 事例2:ナイキは、スポーツパフォーマンスに関するストーリーや動画を通じてブランドエンゲージメントを高めています。

  • 事例3:無印良品は、ライフスタイルに関連するブログや動画コンテンツを提供し、ブランド価値を高めています。

マルチチャネルブランディング (MultiChannel Branding)

複数の販売チャネルを通じて、統一されたブランドメッセージを顧客に伝える手法です。

  • 事例1:ナイキは、オンラインストア、実店舗、ソーシャルメディアを活用して一貫したブランド体験を提供しています。

  • 事例2:スターバックスは、モバイルアプリや実店舗を通して、シームレスな顧客体験を実現しています。

  • 事例3:無印良品は、オンラインと実店舗で統一されたブランド体験を提供し、マルチチャネル戦略を強化しています。

まだ会員登録されていない方へ

会員になると、既読やブックマーク(また読みたい記事)の管理ができます。今後、会員限定記事も予定しています。登録は無料です


《西口一希》

ブランディングの3つの目的+158語彙:8分類と62の優先語彙