1-3-7:サブブランド、ディスカウントブランド、ほか

ブランドに関する62の優先語彙として、サブブランド、ディスカウントブランド、ファミリーブランド、ブランドアンブレラを解説します。
1-3-7:サブブランド、ディスカウントブランド、ほか

1.種類や範囲 62の優先語彙:5~8

「ブランド・ブランディングに関する158語彙:8分類と62の優先語彙」で紹介した8分類に沿って、62の優先語彙を解説しています。ここでは「分類1.ブランドの種類や範囲に関連するもの」より、サブブランド、ディスカウントブランド、ファミリーブランド、ブランドアンブレラを解説します。

サブブランド(Sub-Brand)

メインのブランドに付随する別のブランドで、特定のニッチ市場や異なるターゲット層に向けて展開されます。

  • 事例1:トヨタの高級車ブランド「レクサス」は、トヨタのサブブランドとして、高級車市場をターゲットにしています。

  • 事例2:コカ・コーラのサブブランド「スプライト」は、主に若年層に向けて清涼感を提案しており、幅広い年齢層にアピールする「コカ・コーラ」とは異なるターゲット層に向けた炭酸飲料として展開されています。

  • 事例3:Nestléの「ネスプレッソ」は、親ブランドのNestléから派生し、プレミアムコーヒー市場をターゲットにしたサブブランドです。

ディスカウントブランド(Discount Brand)

価格を大きな売りとし、低価格帯の商品を提供するブランド。品質よりも価格の競争力を前面に押し出します。

  • 事例1:ドイツの大型スーパー「Lidl(リドル)」は、ディスカウントブランドとして低価格商品を提供し、欧米や中国など多くの国で市場シェアを拡大しています。

  • 事例2:Walmartの自社ブランド「Great Value」は、低価格で日用品を提供するディスカウントブランドとして成功しています。

  • 事例3:アイルランドのファストファッションブランドの「Primark」は、低価格でトレンド商品を提供するディスカウントブランドの一例です。

ファミリーブランド(Family Brand)

同じブランド名の下で複数の製品を展開します。ブランド認知と信頼を活用して、異なる商品カテゴリーでも効果的に販売します。

  • 事例1:ジョンソン&ジョンソンは、ベビーパウダーから医療用品まで幅広い製品をファミリーブランドとして展開しています。

  • 事例2:ソニーは、エレクトロニクスからエンターテインメントまで、多岐にわたる製品ラインを「Sony」ブランドとして展開しています。

  • 事例3:ユニリーバは、食品、家庭用品、パーソナルケアなど、複数のカテゴリーでファミリーブランドを活用しています。

ブランドアンブレラ(Brand Umbrella)

ひとつのメインブランドの下に、複数のサブブランドや製品ラインをまとめることで、親ブランドの信頼や認知を活用します。

  • 事例1:P&Gは、複数の異なる製品ブランドを持つブランドアンブレラ戦略を取っています。

  • 事例2:Nestléは、ネスカフェやキットカットなどの異なる製品ラインをひとつの親ブランドの下に持っています。

  • 事例3:ロレアルは、化粧品やヘアケア製品の分野でブランドアンブレラ戦略を採用しています。

まだ会員登録されていない方へ

会員になると、既読やブックマーク(また読みたい記事)の管理ができます。今後、会員限定記事も予定しています。登録は無料です


《西口一希》

ブランディングの3つの目的+158語彙:8分類と62の優先語彙