

1.ブランドの種類や範囲に関連
本項からは、「ブランド・ブランディングに関する158語彙:8分類と62の優先語彙」で紹介した8分類に沿って、非優先の96語彙を解説していきます。ここでは「分類1.ブランドの種類や範囲に関連するもの」として、エシカルブランディング、デスティネーションブランディングなど13語彙を解説します。
イベントブランディング (Event Branding)
特定のイベントや行事を通じて、ブランドの認知度やイメージを向上させる手法です。
事例1:Appleの新製品発表イベントは、ブランドの革新性を強調しています。
事例2:レッドブルは、スポーツイベントを通じてエネルギッシュなブランドイメージを強化しています。
事例3:サントリーは、音楽フェスティバル「サントリーウイスキーフェス」を通じて、ブランドの認知度と共感を高めています。
エシカルブランディング (Ethical Branding)
企業が倫理的な価値観を基に、社会的責任や環境保護を強調する手法です。
事例1:パタゴニアは、環境保護活動に重点を置いたエシカルブランディングを展開しています。
事例2:化粧品メーカーのザ・ボディショップは、公正取引と動物実験反対を掲げています。
事例3:ユニクロは、持続可能な素材とフェアトレードに取り組み、エシカルブランドとしてのイメージを強化しています。
オーガニックブランディング (Organic Branding)
自然や環境に配慮した製品を提供し、エコフレンドリーな価値を強調する手法です。
事例1:米のスーパーマーケットのWhole Foodsは、オーガニック食品を提供し、同市場でのリーダーシップを確立しています。
事例2:ヘアケア製品などを扱うアヴェダは、植物由来の製品を提供し、エコ志向の顧客を引きつけています。
事例3:オイシックスは、農薬不使用のオーガニック食品を提供し、環境保護と健康志向を訴えています。
カスタマーブランディング (Customer Branding)
顧客との関係を強化し、顧客体験を基にブランド価値を構築する手法です。
事例1:Amazonは、顧客中心のサービスを提供し、ブランド忠誠を高めています。
事例2:靴のネット通販企業のZapposは、優れた顧客サービスでブランドのファンを増やしています。
事例3:楽天は、ポイントプログラムを通じて顧客のロイヤルティを高め、カスタマーブランディングを成功させています。
サービスブランディング (Service Branding)
サービスの質を強調し、ブランド価値を構築する手法です。
事例1:ザ・リッツ・カールトンは、高級サービスを提供し、ブランドのステータスを高めています。
事例2:Uberは、簡便で迅速な移動手段としてのブランドイメージを構築しています。
事例3:JAL(日本航空)は、優れたサービスで顧客満足度を高め、ブランド価値を維持しています。
テクノロジーブランディング (Technology Branding)
最新技術を強調し、革新的なブランドイメージを構築する手法です。
事例1:Appleは、革新的な技術とデザインでブランドを築いています。
事例2:Teslaは、電気自動車技術で先進的なイメージを打ち出しています。
事例3:ソニーは、ハイテク技術を駆使した製品開発でブランドの革新性をアピールしています。
デジタルブランディング (Digital Branding)
デジタルメディアを活用して、ブランドの認知度や影響力を拡大する手法です。
事例1:Amazonは、オンラインでの圧倒的な存在感によって、デジタルブランドを確立しています。
事例2:Googleは、デジタル広告と検索エンジンを駆使して、グローバルなブランドイメージを構築しています。
事例3:ユニクロは、デジタルマーケティングを通じて、グローバル市場でのデジタルブランディングを強化しています。
デスティネーションブランディング (Destination Branding)
観光地や地域をブランド化し、観光客を引きつけるためのブランディング手法です。
事例1:ニュージーランドは、「100% Pure New Zealand」キャンペーンで豊かな自然を強調しています。
事例2:パリは、ファッションとアートの中心地としてブランドを構築しています。
事例3:京都は、伝統文化と自然美を強調したデスティネーションブランディングを成功させています。
ノンプロフィットブランディング (Nonprofit Branding)
非営利団体が、自らの活動や使命を広めるために行うブランディング手法です。
事例1:WWFは、環境保護活動を行うブランドとして確立しています。
事例2:国際赤十字は、世界的な人道支援活動を通じてブランド認知を向上させています。
事例3:あしなが育英会は、募金活動を通じて支援の輪を広げるためのブランディングを行っています。
パーソナルブランディング (Personal Branding)
個人が自身のスキルや価値観を際立たせ、個人ブランドを構築する手法です。
事例1:ビル・ゲイツ氏は、自身の価値観とビジネスでパーソナルブランドを確立しています。
事例2:イーロン・マスク氏は、テクノロジーと未来志向のビジョンを通じてパーソナルブランドを強化しています。
事例3:ホリエモン(堀江貴文氏)は、起業家としてのパーソナルブランディングで影響力を持っています。
バジェットブランド (Budget Brand)
低価格を特徴とし、コストパフォーマンスを重視したブランディング手法です。
事例1:Walmartは、低価格を前面に押し出したバジェットブランド戦略で成功しています。
事例2:アイルランドのPrimarkは、ファストファッションのバジェットブランドとして急成長しています。
事例3:ダイソーは、100円ショップとしてバジェットブランディングを確立し、多くの顧客に支持されています。
パブリックブランディング (Public Branding)
公共機関や政府機関が、自らの活動やサービスを広めるために行うブランディング手法です。
事例1:イギリスのNHS(National Health Service)は、公的医療サービスのブランドイメージを向上させています。
事例2:アメリカのUSPS(United States Postal Service)は、郵便サービスの信頼性を強調しています。
事例3:JR東日本は、公共交通機関としての信頼性を前面に押し出し、パブリックブランディングを強化しています。
メディアブランディング (Media Branding)
メディアを通じてブランドの認知度やイメージを向上させる手法。広告、SNS、コンテンツなどを活用します。
事例1:コカ・コーラは、テレビ広告とソーシャルメディアを組み合わせたメディアブランディングを展開しています。
事例2:ナイキは、SNSを中心にアスリートのストーリーを共有し、ブランド認知を高めています。
事例3:楽天は、テレビCMやオンライン広告を活用し、幅広いメディアブランディングを展開しています。
まだ会員登録されていない方へ
会員になると、既読やブックマーク(また読みたい記事)の管理ができます。今後、会員限定記事も予定しています。登録は無料です