1-3-17：ブランドディファレンシエーション、ブランドプレファレンス、ほか

5．顧客関係やポジショニング　62の優先語彙：42～45

「ブランド・ブランディングに関する158語彙：8分類と62の優先語彙」で紹介した8分類に沿って、62の優先語彙を解説しています。ここでは「分類5．ブランドの顧客関係やポジショニングに関連するもの」より、ブランドディファレンシエーション、ブランドプレファレンス／ブランド選好、ブランドプロミス、ブランドポジショニングを解説します。

ブランドディファレンシエーション（Brand Differentiation）

市場で競合他社との差別化を図るための戦略。製品やサービス、メッセージ、ブランド体験での差異を明確にすることが重要です。

• 事例1：ダイソンは、革新的な掃除機技術で他の家電メーカーと差別化しています。

• 事例2：ヤマハは、会社として、楽器の品質だけでなく電子ピアノやサイレント楽器などの技術革新により、他の楽器メーカーとの差別化を図っています。

• 事例3：スターバックスは、コーヒーの品質だけでなく、居心地の良い空間提供で他のカフェチェーンと差別化しています。

ブランドプレファレンス／ブランド選好 （Brand Preference）

顧客が他の競合ブランドに対して、特定のブランドを選好する度合い。ブランドロイヤルティやブランド体験が影響します。

• 事例1：Appleユーザーは、高価格帯でもApple製品を選び続ける強いブランドプレファレンスを持っています。

• 事例2：コカ・コーラとペプシの市場では、顧客のブランドプレファレンスが購入行動に大きな影響を与えています。

• 事例3：ナイキは、アスリートやスポーツ愛好者の間で高いブランドプレファレンスを獲得しています。

ブランドプロミス （Brand Promise）

ブランドが顧客に対して提供する価値や約束のこと。ブランドを通じた体験や品質への信頼を築き、顧客がブランドに対して抱く期待を明確にします。

• 事例1：FedExは「信頼性の高い迅速な配送サービス」をブランドプロミスとして掲げています。

• 事例2：Volvoは「安全性」を最優先するブランドプロミスを掲げ、車両設計や技術開発にその理念を反映しています。

• 事例3：ディズニーは「魔法のような体験」を提供するというブランドプロミスを持ち、テーマパークや映画でその約束を体現しています。

ブランドポジショニング（Brand Positioning）

ブランドを競合他社と比較して、顧客の心の中でどのような位置に置くかを決定する戦略。ブランドがどのような価値を提供するかが含まれる。

• 事例1：Teslaは、電気自動車市場で高級かつ革新的なブランドポジショニングを確立しています。

• 事例2：サントリーは、「おいしさ」と「健康」を重視した飲料ブランドポジショニングを取っています。

• 事例3：ロレアルは、美容業界でラグジュアリー感と手軽さを兼ね備えた化粧品ブランドとしてポジショニングしています。