

心理学の9分類に続き、優先して理解しておきたい64の理論を事例を交えながら解説します。先の9分類で代表的な理論として挙げたものも含みます。
本項では優先すべき理論46~48として、ハロー効果、バンドワゴン効果、ピークエンドルールを解説します。
ハロー効果(Halo Effect)
ハロー効果とは、特定の良い印象が他の要素にも影響を与え、その全体の評価を高める現象です。例えば、ひとつの優れた特徴があると、他の特徴も良いと感じやすくなります。
ブランドアンバサダーの利用:有名人やインフルエンサーが製品を推薦することで、その製品の全体的な評価を高めます。スポーツブランドが著名なアスリートを広告に起用し、そのアスリート自身の良いイメージを製品に結びつけます。
パッケージデザイン:高品質なパッケージデザインが、製品全体の印象を高めます。プレミアム感のあるパッケージデザインを採用し、高級感を演出することで、中身の品質も高く感じるよう促します。
受賞歴の強調:製品が受賞したことを強調し、その製品全体の評価を高めます。ワインのラベルに「国際ワインコンテストで金賞受賞」と記載すると、その受賞歴が全体の品質イメージを向上させます。
バンドワゴン効果(Bandwagon Effect)
バンドワゴン効果とは、人々が他の多くの人々が行っていることに影響を受け、自分も同じ行動を取ろうとする心理現象です。つまり、人気があるものや流行しているものに対して、自分もその流行に乗ることで安心感や一体感を得ようとする傾向です。
ソーシャルメディアキャンペーン:インフルエンサーや有名人が、製品を使用している写真や動画をシェアすることで、多くの人が「同じ製品を使いたい」と感じます。Instagramで人気のファッションブロガーが特定のブランドの洋服を着ている写真を投稿すると、そのブランドの売上が急増することがあります。
レビューや評価の活用:製品のレビュー数や高評価を強調することで、他の顧客もその製品を購入したくなります。Amazonで「この商品は5,000件以上の高評価レビューを獲得」と表示し、他の顧客にその製品の人気を示します。
数量限定キャンペーン:限定品や数量限定のプロモーションを行い、多くの人が購入していることを示します。化粧品ブランドが「限定100セット! 売り切れ続出中」と打ち出して販売し、顧客に「早く購入しなければならない」と感じるよう促します。
ピークエンドルール(Peak-End Rule)
ピークエンドルールとは、人々がある経験を評価する際に、その経験の最も強烈な瞬間(ピーク)と最後の瞬間(エンド)に基づいて判断する傾向のことです。全体の平均よりも、この2つの瞬間が強く記憶に残ります。
店舗の接客:店舗の接客で、入店時の挨拶(ピーク)と退店時の感謝の言葉(エンド)を特に丁寧にすることで、全体の印象を良くします。高級レストランで、来店時にウェルカムドリンクを提供し、退店時に手書きの感謝カードを渡します。
イベントの開催:イベントで最も感動的な瞬間(ピーク)と最後のフィナーレ(エンド)を工夫することで、参加者の満足度を高めます。音楽フェスティバルで、一番人気のアーティストのパフォーマンスをクライマックスに配置し、最後に花火を打ち上げるなどです。
カスタマーサポート:カスタマーサポートで、問題解決の瞬間(ピーク)と最後のフォローアップ(エンド)を丁寧に行うことで、顧客満足度を向上させます。カスタマーサポートが迅速かつ効果的に問題を解決し、最後に「ご利用ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」と感謝のメールを送ります。
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