4-1-11:心理的所有感、スカーシティ効果、スノッブ効果

心理的所有感とは、何かを「自分のもの」と感じる心理状態です。これが強いほど、その対象への愛着や責任感が増し、手放しにくくなります。
4-1-11:心理的所有感、スカーシティ効果、スノッブ効果

心理学の9分類に続き、優先して理解しておきたい64の理論を事例を交えながら解説します。先の9分類で代表的な理論として挙げたものも含みます。

本項では優先すべき理論19~21として、心理的所有感、スカーシティ効果、スノッブ効果を解説します。

心理的所有感(Psychological Ownership)

心理的所有感とは、人が何かを「自分のもの」と感じる心理状態です。所有感が強いほど、その対象に対する愛着や責任感が高まり、それを手放すことが難しくなります。

  • カスタマイズサービスの提供:製品やサービスを個別にカスタマイズできるようにすることで、顧客に対する所有感を高めます。スニーカーのデザインを顧客が自分でカスタマイズできるサービスを提供すると、購入後にそのスニーカーに対する愛着を深めてもらうことができます。

  • 試用期間の設定:一定期間、製品を試用できるサービスを提供し、その間に所有感を持つよう促します。家具店が新しいソファを30日間試用できるサービスを提供し、顧客がソファを自分の家に置いた状態に慣れることで、購入意欲を高めます。

  • 参加型の製品開発:顧客が製品開発プロセスに参加できるようにし、開発中の製品に対する所有感を持つよう促します。クラウドファンディングサイトで、支援者が新製品のデザインや機能に対する意見を出せるキャンペーンを行い、完成した製品に対する所有感を高めます。

スカーシティ効果(Scarcity Effect)

スカーシティ効果とは、希少性が高いものほど価値が高いと感じる心理現象です。限られた数量や期間限定の商品は、より魅力的に映ります。

  • 限定商品:数量限定の商品を提供します。ブランドが「限定100個」のバッグを発売し、希少性を高めて顧客の購入意欲を刺激します。

  • フラッシュセール:短期間の割引を行います。オンラインショップが「本日限りのセール」を開催し、時間の制限を設けることで即時購入を促します。

  • 期間限定メニュー:一定期間だけ提供されるメニューを導入します。カフェが「季節限定ドリンク」を提供し、期間が過ぎる前に顧客が訪れるように促します。

スノッブ効果(Snob Effect)

スノッブ効果とは、人が他人と異なることを体験したり、高価なものを持ったりすることで自身のステータスを示そうとする現象です。一般的なものや体験ではなく、特別なものや体験を選ぶことで、顧客が自分自身の特別感を強く感じるよう促します。

  • 高級ブランドの広告:限定感を強調して、特別な顧客層をターゲットにします。高級車メーカーが「限られた人だけが手に入れられる」といったメッセージを強調し、特別感を演出します。

  • プレミアム会員制:特別なサービスを提供することで、一般層と差別化します。ストリーミングサービスが「プレミアム会員だけが視聴できる独占コンテンツ」を提供し、一般会員との差別化を図ります。

  • 限定イベントの開催:特定の顧客だけが参加できるイベントを企画します。高級ワインメーカーが「VIP限定テイスティングイベント」を開催し、特別な体験を提供することでブランドのステータスを高めます。

まだ会員登録されていない方へ

会員になると、既読やブックマーク(また読みたい記事)の管理ができます。今後、会員限定記事も予定しています。登録は無料です


《西口一希》

HOWを左右する心理学 170理論:9分類と64の優先理論