

心理学の9分類に続き、優先して理解しておきたい64の理論を事例を交えながら解説します。先の9分類で代表的な理論として挙げたものも含みます。
本項では優先すべき理論43~45として、バーナム効果、バイアスのバイアス、ハイパーボリック割引を解説します。
バーナム効果(Barnum Effect)
バーナム効果とは、一般的で誰にでも当てはまるような曖昧な表現が、自分に特有のものであると感じる現象です。特に占いや性格診断でよく見られます。
パーソナライズされた広告:個々の顧客に向けて、カスタマイズされたメッセージや広告を展開します。Facebook広告で、ユーザーの興味や行動に基づいて「あなたにぴったりのおすすめ商品です」といったメッセージを送る、などがあります。
性格診断テスト:ウェブサイト上で行う性格診断テストを通じて、結果に基づいた商品やサービスを提案します。オンラインショップで「あなたの性格に合ったファッションスタイル診断」といったコンテンツを提供し、その結果に基づいて商品をレコメンドします。
ホロスコープマーケティング:星座やホロスコープに基づいた、パーソナライズされたマーケティングメッセージを発信します。化粧品ブランドが「今月のあなたの星座にぴったりのメイクアップ商品」として、ホロスコープに基づいた商品提案を行います。
バイアスのバイアス(Bias Blind Spot)
バイアスのバイアスとは、他人のバイアスには気づきやすいが、自分のバイアスには気づきにくいという現象です。「自分の判断は公平である」と信じてしまう傾向です。状況を客観的に捉えられる仕組みや情報を提供すると、バイアスに気づきやすくなります。
自己評価テスト:顧客が自分のバイアスを認識できるような自己評価テストを提供します。オンライン学習サービスが「自己認識テスト」を提供し、自分の学習スタイルや好みに関するバイアスを認識するよう促します。
バイアスを減らすキャンペーン:製品選択時に、バイアスを減らすための情報を提供します。テクノロジーブランドが製品比較ツールを提供し、スペックやレビューを客観的に比較することで、購入者のバイアスを減らします。
客観的なレビュー収集: 顧客から客観的なフィードバックを収集し、バイアスの存在を意識するよう促します。サービス提供会社が顧客満足度調査を行い、結果をフィードバックすることで、顧客が自分のバイアスに気づきやすくします。
ハイパーボリック割引(Hyperbolic Discounting)
ハイパーボリック割引とは、将来の利益や報酬よりも、目先の小さな利益や報酬を優先する傾向のことです。人はすぐに得られる利益に強く引かれるため、長期的な目標を達成するのは難しくなります。
即時割引提供:将来の割引よりも、即時割引を提供して購入意欲を高めます。オンラインショッピングサイトで「今すぐ購入すると10%オフ」といったプロモーションを行い、すぐに購入するよう促します。
早期予約特典:早期に予約することで特典を提供します。ホテルや航空会社が「早期予約で20%オフ」といった特典を提供し、顧客に早期の決断を促します。
即時ポイント付与:購入と同時にポイントが付与されるプログラムです。スーパーマーケットが「本日中に購入すると即時に100ポイントをプレゼント」として、当日の購入を促進します。
まだ会員登録されていない方へ
会員になると、既読やブックマーク(また読みたい記事)の管理ができます。今後、会員限定記事も予定しています。登録は無料です