
「R-STP-MM-I-C」を理解しよう
マーケティングを学習する入り口のひとつとして、ここでは1967年の『マーケティング・マネジメント』出版以来、現代の一般的な理解となっている5つのステップからなるマーケティングプロセスの概要を紹介します。
多くのマーケティングの教科書では、基本的なマーケティングのプロセスとして、5つのステップで成り立つ「R-STP-MM-I-C」にたどり着きます。
R-STP-MM-I-Cは、R(Reseach リサーチ)、STP(Segmentation セグメンテーション、Targetting ターゲティング、Positioning ポジショニング)、MM(Marketing Mix マーケティングミックス)、I(Implementation インプリメンテーション)、C(Control コントロール)の頭文字です。多種多様な「〇〇〇マーケティング」は、この「R-STP-MM-I-C」のプロセスに関連して理解できるので、マーケティング業務の最もシンプルで基本的なプロセスとして押さえておきましょう。では、それぞれを簡単に解説します。
ステップ1のRは、調査分析を意味するリサーチで、マーケティング施策立案のための市場調査・環境分析・顧客分析です。
ステップ2のSTPは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングで、ステップ1のリサーチ結果を元に市場を細分化し(セグメント)、狙う市場を選択し(ターゲット)、その市場の中で競合に対する自社の立ち位置を定めることです(ポジション)。
ステップ3のMMは、マーケティングミックスで、ステップ2のSTPに基づいて具体的なプロダクト(商品やサービス)を売るためのマーケティング施策を策定します。具体的には、プロダクト(Product・製品やサービス)、プライス(Price・価格)、プレイス(Place・流通)、プロモーション(Promotion・販売促進)を決める4Pなどが有名です。
Iは、実行を意味するインプリメンテーションで、マーケティング施策を具体的プランに落とし込み、実行します。
Cは、管理を意味するコントロールで、実行したプランの結果を分析し、計画、収益性、効率性、戦略の観点で評価・改善を行います。
なお、ステップ1と2(R、STP)は「戦略的プロセス」、ステップ3、4、5(MM、I、C)は「戦術的プロセス」と分類されます。

次の項目から、「R-STP-MM-I-C」を説明します。一般的な教科書やネットで入手できる基本的なマーケティングプロセスを、具体的な事例を使いながら解説していきます。ますます広範囲に広がり複雑化、専門家していくマーケティング業務全体の流れを捉える上で最も基本となるマーケティングプロセスです。
しかし、実際の実務で活用するにはいくつかの課題があります。そこで別途、上級者向けとして、一般的な「R-STP-MM-I-C」が実務で直面する典型的な4つの課題とその解決方法を解説予定です。上級者の方には両方を通じて、実務で活用し、望ましいビジネス結果を導く「実務的マーケティングプロセス」を学ぶことを推奨します。
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