1-2-10:ステップ1「Research」⑦ KBF(Key Buying Factors)分析

KBF分析は、顧客が製品購入時に重視する要因を特定し、その重要度を評価する手法で、企業の戦略策定に使います。
1-2-10:ステップ1「Research」⑦ KBF(Key Buying Factors)分析

KBF(Key Buying Factors)分析とは

KBF(Key Buying Factors)分析は、顧客が製品やサービスを購入する際に重要視する要因を特定・評価するための手法です。この分析を通じて、企業は顧客の購買決定に最も影響を与える要素を理解し、マーケティング戦略や製品開発に反映させることができます。

KBF分析は、以下のステップで実施されます。

  • 要因の特定:顧客が製品やサービスを選ぶ際に重視する要因をリストアップします。これには、多種多様な便益、機能、特徴、価格、デザイン、イメージ、アフターサービスなどが含まれます。

  • 要因の評価:リストアップした要因を顧客調査や市場分析を通じて評価し、各要因の重要度を特定します。

  • 戦略の策定:特定された重要な要因に基づいて、STP戦略や製品開発戦略を策定します。

事例1.家電製品の購入

  • 要因の特定:価格、機能、ブランド信頼性、エネルギー効率、デザイン。

  • 評価:顧客調査を通じて、価格とブランド信頼性が最も重要であることが判明。

  • 戦略:

    • 価格戦略:競合製品と比較して、適正な価格設定を行う。

    • ブランド戦略:ブランドの信頼性を強調する広告キャンペーンを実施し、顧客レビューを活用して信頼性をアピールする。

事例2.健康食品の購入

  • 要因の特定:効果、成分の安全性、価格、味、ブランド信頼性。

  • 評価:顧客インタビューにより、効果と成分の安全性が特に重要視されていることが判明。

  • 戦略:

    • 製品戦略:効果が証明された成分を使用し、安全性を強調したパッケージデザインとラベル表示を行う。

    • マーケティング戦略:効果と安全性を強調する広告キャンペーンを実施し、専門家の推薦を利用して信頼性を高める。

事例3.自動車の購入

  • 要因の特定:安全性、燃費性能、価格、ブランド、デザイン、アフターサービス。

  • 評価:市場調査の結果、安全性と燃費性能が最も重要であることが判明。

  • 戦略:

    • 製品開発戦略:安全機能と燃費性能を強化し、これらの特長を明確にした製品を開発する。

    • プロモーション戦略:広告やプロモーションで安全性と燃費性能を強調し、実際のデータやテスト結果を提示して信頼性をアピールする。

以上、ステップ1で使う代表的な分析フレームワークを7つ解説しました。これらの分析は、それぞれ特定の視点からビジネス環境を評価し、ステップ2であるSTPで戦略的な意思決定をするために行います。

まだ会員登録されていない方へ

会員になると、既読やブックマーク(また読みたい記事)の管理ができます。今後、会員限定記事も予定しています。登録は無料です


《西口一希》

実務に使えるマーケティングプロセス