5-2-1:創業からの13年:1971-1984

世界一のブランド解説 Appleの歴史
スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアクは1976年にAppleを設立し、Apple IやApple IIで成功。1984年にMacintoshを発表後、両者は相次いで退社し、Appleはさらに成長を続けました。
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編集部より:Wisdom-Betaでは書籍『The History of Jobs & Apple 1976~20XX スティーブ・ジョブズとアップル 奇跡の軌跡(MAC LIFE 特別編集)』(元MAC LIFE編集長 株式会社クリエイシオン代表取締役 高木利弘氏著/株式会社晋遊舎)の一部記事と図版、画像の利用許諾をいただき、参照・活用させていただいています。改めて、厚く感謝申し上げます。

Apple Computer(現在のApple Inc.)の共同創業者であるスティーブ・ジョブズ(当時16歳)とスティーブ・ウォズニアック(当時21歳)は、共通の友人であるビル・フェルナンデスを通じて1971年に出会いました。ウォズニアクは当時からコンピュータ技術に精通しており、二人はすぐに意気投合しました。

1976年4月1日、ジョブズとウォズニアック、そしてロナルド・ウェインによってApple Computerが設立されました。初期の活動はジョブズのガレージで行われ、ウォズニアックが設計・製造した「Apple I」というコンピュータが最初の製品となりました。Apple Iは、もともとはウォズニアックが趣味で作ったコンピュータでしたが、ジョブズがこれを商品化し、地元のコンピュータショップに販売することで、Appleのビジネスが始まりました。

1977年に、ウィズニアックの革新的な設計による「Apple II」を発表し、大きな商業的成功を収めました。Apple IIはカラーグラフィックスを備えた最初のパーソナルコンピュータであり、一般家庭でも使いやすい設計でした。これによりAppleは急速に成長し、パーソナルコンピュータ市場での地位を確立しました。

1980年12月12日、Apple Computerは株式を公開し、NASDAQに上場しました。この株式公開は非常に成功し、多くの初期投資家を億万長者にしました。ジョブズ自身もこの上場により巨額の富を得ました。上場後の1981年には、Apple IIに続く新製品として「Macintosh」プロジェクトを開始しました。このプロジェクトはジョブズの主導で進められ、グラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を備えた画期的なコンピュータを目指しました。

1983年には、経営体制を強化すべくペプシコからジョン・スカリーをCEOとして迎え入れました。ジョブズがスカリーを採用した背景には、Appleをさらに成長させたいという思いがありましたが、次第に二人の間には意見の対立が生じました。

1984年1月24日、Appleは「Macintosh」を発表しました。野心的な製品であったものの、活用できるソフトウェアが不十分であったのも原因で販売は期待ほど伸び悩みました。1985年には、ウォズニアックが先に退社し、社内での影響力を失ったジョブズも1985年9月にAppleを去りました。このようにして、Appleはジョブズとウォズニアックの出会いからスタートし、13年間に急速に成長を遂げましたが、創業者二人は相次いで会社を去ることになりました。

売上推移

  • 1980年: 12月12日にNASDAQで株式を上場しました。この年の売上は約1億1,700万ドルで、Apple IIの成功によって急成長していました。

  • 1981年: 売上は2億3,500万ドルに達し急速に成長を続けました。しかし、同年のIBM PCの登場により競争が激化しました。

  • 1982年: 売上は5億7,800万ドルに増加しました。Apple IIシリーズの好調が続きましたが、競争の激化により市場シェアの維持が課題となりました。

  • 1983年: 売上は10億ドルを超え初めて10億ドル企業となりました。同年、オフィス向け16ビットパーソナルコンピュータの「Lisa」を発売しましたが、価格(日本円で約233万円)が高すぎたため商業的には失敗しました。

  • 1984年: 売上は19億ドルに達しました。この年に発表されたMacintoshは画期的な製品でしたが、売上の伸びは予想を下回りました。

年表

1971年

  • ジョブズ、ウォズニアックと出会う。ウォズニアックが「ブルーボックス」を製作、ジョブズが売りさばく

  • 3月:Apple Ⅰのプロトタイプをホームブリューコンピュータクラブで披露

1976年

  • 4月1日:Apple Computerを設立

  • 6月:Apple Ⅰをバイトショップ(BYTE SHOP)に50台納品

  • 8月28日:PC '76 Computer Showに出展。AppleⅠを披露

1977年

  • 4月16日:第1回West Coast Computer FaireでApple Ⅱを発表

  • 6月5日:Apple Ⅱを発売

1978年

  • 6月:ウォズニアックがフロッピーディスクドライブ「Disk Ⅱ」を開発

1979年

  • 6月:「Apple Ⅱ+」を発表

  • 10月:Apple II用の表計算ソフト「VisiCalc」が登場

  • 12月:ジョブズ、ビル・アトキンソンらとともにパロアルト研究所を訪問し、GUIのデモを見て衝撃を受ける

1980年

  • 7月:「Apple Ⅲ」を発表

  • 12月12日:株式を公開、ジョブズは2億5,600万ドル、ウォズニアックは1億3,600万ドルの資産を得る

1981年

  • 6月17日:ジョブズが会長に就任

  • 8月12日:IBMがIBM PCを発表

  • 8月24日:「ようこそIBM」の全面広告を掲載。コンピュータ界の巨人IBMがPC市場に参入した際に、それを歓迎した有名な広告

1983年

  • 1月19日:「Apple Ⅱe」(写真上)と「Lisa 1」(写真下)を発表

  • 4月8日:ジョン・スカリーが社長兼CEOに就任

1984年

  • 1月1日「Lisa 2」を発表

By Photograph by Rama, Wikimedia Commons, Cc-by-sa-2.0-fr, CC BY-SA 2.0 fr, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=17540984
  • 1月22日 :「第18回スーパーボウル」全米中継でCM「1984」を流す(解説記事

  • 1月24日:初代「Macintosh」を年次株主総会で発表

Macintoshを特徴付けたワンボタン・マウス。その思想は、iPhone、iPadにも受け継がれている
  • 9月10日:「Macintosh 512K」を発表

1985

  • 1月1日:「Macintosh XL」を発表。LisaにMacとの互換性を持たせたMacintoshアプリの開発機としての位置付け

  • 1月:「第19回スーパーボウル」全米中継でCM「レミングたち」を流す(解説記事

  • 1月23日:レーザープリンター「LaserWriter」を年次林主総会で発表

  • 2月:ウォズニアックが退社する

  • 5月31日:ジョブズ、すべての仕事を剥奪される

編集部より:Wisdom-Betaでは書籍『The History of Jobs & Apple 1976~20XX スティーブ・ジョブズとアップル 奇跡の軌跡(MAC LIFE 特別編集)』(元MAC LIFE編集長 株式会社クリエイシオン代表取締役 高木利弘氏著/株式会社晋遊舎)の一部記事と図版、画像の利用許諾をいただき、参照・活用させていただいています。改めて、厚く感謝申し上げます。

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《西口一希》

Appleの歴史