
主要12分野・24種のマーケティングに続いて、残り89種のマーケティング手法を事例とともに解説しています。
本項では、フィールドマーケティング、ブートストラップマーケティングを解説します。
フィールドマーケティング (Field Marketing)
フィールドマーケティングとは、特定の地域や市場で顧客と接触することに重点を置いたマーケティングです。実際の販売現場やイベントなどでの製品デモンストレーションや、顧客との直接の対話を通して、リアルタイムのフィードバックを得たり、ブランドの認知度を高めたりすることができます。
アサヒビール(ASAHI BREWERIES):アサヒビールは、夏場にビーチや野外イベントで無料の試飲キャンペーンを実施し、顧客と交流しながら製品の特徴や魅力を伝えています。また、ビールの魅力を伝えるセミナーや工場見学ツアーも開催しています。これらにより、製品への興味や好意を高め、実際の購入につなげています。
資生堂(SHISEIDO):資生堂は、店頭などでの顧客体験を重視したフィールドマーケティングを実施しています。デパートや専門店での化粧品カウンターで顧客一人ひとりに合わせた肌分析やメイクアップのデモンストレーションを提供するほか、ポップアップストアやワークショップ、メイクイベントで新製品の体験機会を創出しています。これにより、顧客との深い関係を築き、ブランド価値を高めています。
ブートストラップマーケティング (Bootstrap Marketing)
ブートストラップ マーケティングは、限られた予算の中で最大のマーケティング効果を目指す手法です。主にスタートアップ企業や小規模事業者が、資金をかけずに創意工夫を凝らして展開しています。低コストで実施可能なオンラインマーケティング、口コミ、ソーシャルメディアの活用、パートナーシップなどを駆使します。
ドロップボックス(Dropbox):ドロップボックスは、初期の成長を主にブートストラップマーケティングによって実現しました。具体的には、ユーザーが新規登録者を招待すると無料の追加ストレージスペースを提供するリファラルプログラムを通じて、口コミやユーザーの拡散を促進しました。この仕組みは低予算で効果的な成長を可能にし、ドロップボックスの認知度とユーザー数の増加に貢献しました。
37 signals(旧Basecamp):37 signalsは、プロジェクト管理とチームコラボレーション用のソフトウェアを提供する企業です。顧客中心の戦略で、シンプルさとユーザー体験を重視し、使いやすい製品を作り上げたことが、多くのユーザーの支持を得ることにつながりました。オープンソースプロジェクト(Ruby on Rails)を通じて、ブログ、書籍、ポッドキャストなど、多様なコンテンツマーケティングを展開し、外部資金調達をほぼ行わず持続的な成長を遂げ、多くの費用をかけずにブランドの知名度と信頼性を向上させました。
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