「Copilotで十分ですか?」— この質問に即答できない理由

マーケティングの大前提 AI時代の新戦略
AI活用の違いは性能の優劣ではなく、「既存の作業を高速化する活用(Copilot等)」か「業務プロセス自体を再設計する活用(Palantir等)」かという目的と設計思想の違いにあります。自社がどちらの方向性でAIを導入したいのか、活用目的を明確に整理することが重要です。
「Copilotで十分ですか?」— この質問に即答できない理由

業務の「中」で使うAIと、業務そのものを作り直すAI ― CopilotとPalantirのFDEの対比から

はじめに:一つの質問から見える、二つの活用方法

最近、ご相談の中でよく出る質問の一つが、「当社はMicrosoftのCopilotを使っていますが、それで十分でしょうか?」というものです。ClaudeやPalantirのFDE(Forward Deployed Engineer)の話題に合わせて出てくることが多い質問ですが、この問いに答えるためには、まず、企業のAI活用には性質のまったく異なる二つの方法があることを理解する必要があるかと思います。

一つは、現在の業務を所与として、その中の一つひとつの作業をAIで速くする活用です。もう一つは、達成すべき目的から逆算して、業務そのものをAIを前提に作り替える活用です。前者を最も分かりやすく体現しているのがMicrosoftのCopilotであり、後者の代表が、最近ネットでも話題になっているPalantirと、そのFDE(Forward Deployed Engineer)です。

結論から言えば、両者の違いは「現在の業務を所与とするMicrosoft、業務自体を再設計するPalantir」という対比に集約されます。これはAIの性能の優劣ではなく、企業のどこにAIを入れるかという設計思想と目的の違いです。そしてこの対比は、そのままマーケティング組織のAI活用における二つの道の対比でもあります。以下、順に解説します。

《西口一希》

AI時代の新戦略