マクドナルド創業期を西口一希が解説。時価総額約1,010倍の軌跡、マクドナルド兄弟の革新とレイ・クロックが広めた「ファストフード革命」とは

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マクドナルド創業期を西口一希が解説します。同社は効率化とフランチャイズ戦略によって革新的なオペレーションと全国展開を実現し、世界最大級のチェーンへと成長しました。記事末尾に解説動画も用意しています。
マクドナルド創業期を西口一希が解説。時価総額約1,010倍の軌跡、マクドナルド兄弟の革新とレイ・クロックが広めた「ファストフード革命」とは

マクドナルド:効率化の追求とフランチャイズ戦略で築いた「最初の10年」

マクドナルドは1940年の創業から、独自のオペレーションシステムと革新的なフランチャイズモデルを武器に、世界最大のファストフードチェーンへと成長を遂げました。1965年の上場から2024年までに時価総額は約1,010倍にまで達しています。その成功の根底には、マクドナルド兄弟による徹底した効率化と、レイ・クロックによる爆発的な全国展開がありました。

1. 創業と初期の課題:マクドナルド兄弟の挑戦

1940年、リチャードとモーリスのマクドナルド兄弟がカリフォルニア州サンバーナーディーノに「マクドナルド兄弟のドライブイン」を開店したのが始まりです。当初は車に乗ったまま注文するドライブイン形式でしたが、以下の課題に直面していました。

  • 提供までの時間の長さ: 注文から食事が届くまでに時間がかかっていた。

  • 高い人件費: 多くの店員を必要とするスタイルだった。

  • 回転率の低さ: お客さんの滞在時間が長く、効率が悪かった。

2. 画期的な「スピード・サービス・システム」の導入(1948年)

これらの問題を解決するため、兄弟は1948年に半年間店を閉めて、全く新しいオペレーションシステム「スピード・サービス・システム」を開発しました。

  • メニューの極端な絞り込み: バーベキューメニューを廃止し、ハンバーガー、フライドポテト、ミルクシェイクの3つに限定。

  • 流れ作業方式の導入: キッチンの工程を細分化し、1つのハンバーガーをわずか30秒で提供可能に。

  • セルフサービスへの転換: カウンターで注文・受け取りを行う方式に変更し、人件費削減と回転率向上を実現。

3. レイ・クロックの登場と全国展開(1954-1955年)

1954年、シェイクミキサーの販売業者だったレイ・クロックがこのシステムに感銘を受け、マクドナルド兄弟に全国展開を提案しました。1955年には「マクドナルド・システム社」を設立し、シカゴ郊外にフランチャイズ第1号店をオープンしました。

  • フランチャイズ契約の確立: 全ての店舗で同じ味とサービスを提供するための厳格な品質管理契約を締結。

  • ブランドイメージの構築: 金色の「ゴールデンアーチ」を導入し、消費者の認知度を飛躍的に高めました。

  • 低価格戦略: ハンバーガーを15セントという競合より圧倒的に安い価格で提供し、一般家庭に広く普及させました。

4. 急成長と世界最大級のチェーンへ

これらの戦略が功を奏し、1959年までに店舗数は100店を突破。1960年には「マクドナルド・コーポレーション」へと社名を変更し、全米、そして世界展開への道を突き進んでいきました。

5. 創業10年間の成功要因まとめ

マクドナルドがファストフード業界に革命をもたらした要因は、以下の3点に集約されます。

  1. オペレーションの確立: 短時間で高品質な食事を提供する「スピード・サービス・システム」。

  2. 強力なフランチャイズ戦略: レイ・クロックによる徹底した標準化と店舗網の拡大。

  3. ブランドと価格の訴求: わかりやすいロゴと大衆向けの低価格設定。

この創業期の効率化と拡大戦略こそが、現代の私たちが世界中どこでも同じクオリティでマクドナルドを楽しめる仕組みの原点となっているのです。

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《西口一希》

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