「良い売上」を最大化し、「悪い売上」を最小化するためには、適切な投資対効果、費用対効果が重要です。本稿では、実務で活用できる、様々な分析指標とその活用を解説します。

1.LTVとCAC ―その顧客獲得、本当に元が取れていますか?
ビジネスの持続性を測る上で最も基本的な関係性が、LTV(顧客生涯価値)とCAC(顧客獲得コスト)です。簡単に言えば、「一人の顧客を獲得するために支払ったコスト(CAC)を、その顧客が将来もたらしてくれる利益(LTV)で上回れるか?」という問いに答えるための指標です。
LTVの定義:売上ではなく利益で見ることが鉄則
書籍で解説したように、LTVは営業利益ベースで計算することが理想ですが、本稿では、どのようなビジネスでも手軽に計算できる粗利(貢献利益)ベースのLTVを使用します。売上から、その売上を直接生み出すためにかかった変動費を差し引いたものが粗利です。
(注:変動費には、顧客数や利用量に比例して増減するコストが含まれます。オフィスの家賃や開発人件費などの固定費は含めません。)