

6.ブランドの一貫性や継続性に関連
「ブランド・ブランディングに関する158語彙:8分類と62の優先語彙」で紹介した8分類に沿って、非優先の96語彙を解説しています。ここでは「分類6.ブランドの一貫性や継続性に関連するもの」として、ブランドスティックネス、ブランドモーメントなど9語彙を解説します。
ブランドコヒーレンス(Brand Coherence)
ブランドのメッセージ、ビジュアル、体験が一貫していること。どの接点でも同じブランドイメージを提供します。
事例1:コカ・コーラは、広告、パッケージ、店舗で一貫したブランドコヒーレンスを維持しています。
事例2:Appleは、製品デザインとユーザー体験で統一されたブランドコヒーレンスを実現しています。
事例3:無印良品は、シンプルで統一されたデザインとメッセージでブランドコヒーレンスを保っています。
ブランドスティックネス(Brand Stickiness)
顧客がブランドに対して強く結びつき、長期的に使用し続ける特性を指します。
事例1:Appleは、製品エコシステムを構築することで、高いブランドスティックネスを実現しています。
事例2:コカ・コーラは、長年にわたり一貫した味とブランドメッセージで、顧客のロイヤルティを維持しています。
事例3:LINEは、便利なメッセージアプリとして高いブランドスティックネスを誇っています。
ブランドディルーション(Brand Dilution)
ブランドが新しい製品や市場に拡張する際に、ブランドのコアメッセージや価値が弱まる現象を指します。
事例1:ハーレーダビッドソンが香水市場に進出した際、「ブランドのアイデンティティが弱まった」とされました。
事例2:コカ・コーラは、「New Coke」の導入で、ブランドディルーションを経験しました。
事例3:ソニーは、多様な製品ラインがブランドの一貫性を損なうリスクに直面したことがあります。
ブランドブック (Brand Book)
ブランドのビジョン、価値、ビジュアルアイデンティティ、ガイドラインをまとめたドキュメント。ブランドの一貫性を保つための指針となります。
事例1:ナイキは、グローバルに展開するブランドの一貫性を維持するために、詳細なブランドブックを作成しています。
事例2:コカ・コーラは、広告やパッケージデザインに関するブランドガイドラインをブランドブックにまとめています。
事例3:トヨタは、全世界で一貫したブランドメッセージを伝えるために、ブランドブックを活用しています。
ブランドプラットフォーム(Brand Platform)
ブランドの基礎を支える概念や枠組み。ブランドのビジョン、ミッション、価値観が集約されています。
事例1:Appleは、ユーザーエクスペリエンスを重視したブランドプラットフォームを構築しています。
事例2:ナイキは、スポーツパフォーマンスに基づくブランドプラットフォームを持っています。
事例3:パナソニックは、技術革新と環境配慮を基盤としたブランドプラットフォームを展開しています。
ブランドブループリント(Brand Blueprint)
ブランド戦略や計画を具体化した設計図。ブランドがどのように成長し、市場に影響を与えるかを示します。
事例1:Appleは、新製品の導入や市場拡大に関する詳細なブループリントを持っています。
事例2:Teslaは、持続可能なエネルギーを普及させるためのブランドブループリントを策定しています。
事例3:日産は、電気自動車の普及に向けたブループリントを展開しています。
ブランドポリシー(Brand Policy)
ブランドの運営やマーケティング活動における方針や規定。ブランドの一貫性と方向性を維持するために重要です。
事例1:Googleは、ブランドイメージの保護に関する厳格なポリシーを持っています。
事例2:コカ・コーラは、広告やパートナーシップにおいて明確なブランドポリシーを設定しています。
事例3:ソニーは、製品開発からマーケティングに至るまで、ブランドポリシーに基づいて活動しています。
ブランドモーメント(Brand Moment)
顧客がブランドに対して感情的に強く反応する瞬間や、ブランドが顧客の心に深く刻まれる重要な場面を指します。
事例1:Appleの新製品発表会は、顧客がブランドに強い印象を抱くブランドモーメントとなっています。
事例2:コカ・コーラのクリスマスキャンペーンは、毎年多くの顧客に強い感情を呼び起こす瞬間を作り出しています。
事例3:スターバックスは、季節限定のドリンクやキャンペーンを通じて、ブランドモーメントを顧客に提供しています。
ブランドレジリエンス(Brand Resilience)
市場や経済の変動に対して強く、長期的にブランド価値を維持する力を指します。
事例1:コカ・コーラは、世界的な経済危機や競争にもかかわらず、ブランド価値を維持してきました。
事例2:Appleは、技術革新と強固なブランドイメージで市場の変動に対応してきました。
事例3:トヨタは、経済変動や自然災害に強く、ブランドレジリエンスを発揮しています。
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