データに基づく経験則を盲信して「新規かロイヤル顧客か」という不毛な二択に陥らないようにしましょう。顧客を固定された存在ではなく常に動き続ける「動態」として捉え、自社の顧客構造を正しく見極めることが大切です。

編集部より:記事末尾に今回の内容をまとめたスライドをご用意しました
近年、エビデンスベース・マーケティング(大規模な実証データから導かれた経験則にもとづくマーケティング)が大きな影響力を持つようになりました。マーケティングは長く、感覚や実証データのない理論で語られることが多く、「これが効くはずだ」という主観や過去の成功体験にもとづいて予算が投じられ、その多くが検証されないまま、無駄な投資として消えていきました。その中で、エビデンスベース・マーケティングが注目されるようになり、広く活用されることは素晴らしいことだと受け止め、私自身も積極的に学んできました。
代表的なのは、英国IPAの広告効果データベース、Les Binet & Peter Fieldの『The Long and the Short of It』、Ehrenberg-Bass InstituteとByron Sharpの『How Brands Grow』、Jenni Romaniukのブランド資産研究です。その中で、いくつかの重要な問いが投げかけられました。
「ブランド成長はロイヤルティの深化よりも浸透率の拡大で起きやすい」
「小さいブランドは顧客数が少ないうえに購買頻度も低いという二重の不利を負う」
「短期の刈り取りに偏ると長期のブランド成長が痩せる」
「広告投資は自社の絶対額ではなく、競合との相対的な声量(シェア・オブ・ボイス)で見る」

