管理会計の貢献利益は短期・局所的判断に有効ですが、適用範囲を誤ると固定費を回収できない「悪い売上」を増やす罠に陥ります。これを避けるには、初期段階では貢献利益、拡大期以降は営業利益を主指標とするなど、成長段階に応じた指標の使い分けとビジネス構造全体を捉える視点が不可欠です。

管理会計は「正しい」のに、なぜ誤るのか
ビジネスにおいて、管理会計は極めて重要な役割を果たします。特に「貢献利益(Contribution Margin)」を用いた意思決定は、多くの企業で標準的な考え方として広く採用されています。
管理会計の教科書、とりわけ変動原価計算(直接原価計算)のアプローチでは、次のように説明されます。固定費は短期的には変わらない、したがって短期の意思決定では固定費を考慮する必要はない、顧客や施策の評価は貢献利益で行うべきである、と。
この考え方自体は、短期的・局所的な意思決定に限定すれば、理論的に正しく、実務でも有効です。しかし問題は、この「正しさ」の適用範囲を誤ったときに生じます。